画像生成AIを試してみた

ここ最近、世間の注目を一身に集めているChatGPTは、人間の指示に基づいて文章を書いてくれるアプリです。一方、人間の指示に基づいて画像を生成してくれるアプリもあります。

実を言うと、ChatGPTが出る以前は、むしろこの領域の方が話題になっていたと言ってもよいほど、既に多くのユーザーに使われています。私自身も、その存在は知っていましたが、一体どれほどのものなのかと気になり、使ってみることにしました。

試してみたのは、「画像生成AI AIイラストStable 」というアプリです。

雑誌の編集では、誌面に空きスペースができた時、イラストやイメージ画像を入れることがあります。文章の内容に合うものを入れるのですが、その際に活用するのが「素材集」と呼ばれるサイトです。無料のものもありますが、ある程度のクオリティを求めるなら、有料サービスを利用する必要があります。

そんなイメージ画像を上記のアプリで作ってみたらどうなるかと思い、試してみることにしました。

アプリは、文章を入力すると、それに合致するイメージを生成してくれます。考えてみたら、すごいことですよね。

まずは手始めに、「光の差し込む教室」とオーダーしてみました。これは比較的簡単じゃないかと思います。結果やいかに・・・。AIが生成した画像が以下です。


光が差し込む教室

なかなかのものじゃないでしょうか。細かく見るとツッコミどころもありますが、単なる挿絵・イメージとしては及第点だと思います。

少し難易度を上げてみましょう。もう少し、具体的な学校の風景として、「デジタル化が進む教室風景」とオーダーしてみました。結果がこちら。

デジタル化が進む教室風景

教室の前方と側面にスクリーンらしきものが描かれています。これがAIの考える「デジタル化された教室」なのかもしれませんが、ちょっと現実とはかけ離れているようにも思います。

少し、指示の出し方を変えてみます。「電子黒板 タブレット端末 教室」と、文章ではなく単語の羅列でオーダーを出してみました。結果がこちら。


電子黒板 タブレット端末 教室

うーん・・・ツッコミどころ満載です。普通の黒板に何かしらのイラストが描かれていますが、「電子黒板」を「電子」と「黒板」で掛け合わせた結果なのでしょうか。

続いて、人を描かせたらどうなるでしょう。「先生が子供に授業をしている画像」とオーダーしてみました。皆さんも、この言葉から生成される画像をイメージしてみてください。で、結果がこちら。

先生が子供に授業をしている画像

おそらく、皆さんが想像したものとは全く異なるイメージだったんじゃないでしょうか。授業というより個別指導という感じですし、先生が妙に色っぽいのも気になります。

少し指示が抽象的すぎたのかも・・・と思い、「30人の小学3年生に向けて、教室で授業をする教師」とオーダーしてみました。結果がこちら。


30人の小学3年生に向けて、教室で授業をする教師

思わず「おい!」とツッコミを入れてしまいました。「30人」も「小学3年生」も完璧に無視していますし、どう考えても「授業」をしているようには見えません。そして、先生の色っぽさばかりが強調されています。

おそらく、ネット上にある「教師」の画像の最大公約数が、こんな感じなのでしょうね。

さて、ここまで気になったのが、教師がすべからく「色っぽい女性教師」であることです。それなら「男性教師」と指示したら、どうなるか。先ほどの「30人の小学3年生に向けて、教室で授業をする教師」の最後の部分を「男性教師」にしてみました。結果がこちら。


30人の小学3年生に向けて、教室で授業をする男性教師

おお、一気にそれっぽくなりました。「30人」は描かれていませんし、先生の身だしなみも少し現実離れしています。でも、ぱっと見で言えば、相応の水準に達しているのではないでしょうか。

文章系のAIに比べて、画像系のAIは、ややゲームやアニメに引っ張られてるような感があります。ただ、指示の出し方に気を付ければ、十分に実用的なんじゃないかと思いました。

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