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#14. アレンテージョの基本情報

72season'sアドベントカレンダー17日目はアレンテージョについてです😁
アレンテージョは地域も広く、クヴェヴリのような壺を使った伝統的な面白いワインもあるので、何回かにわけて記事にしたいと思います。

今日はアレンテージョの基本を抑えましょう!

DOCとVinho Regional

DOCアレンテージョと、それよりはるかに大きいVinho Regionalアレンテジャーノ。アレンテジャーノとは「テージョ川の向こう側」という意味だそうです。

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赤ワインの重要な産地ですが、ブドウ畑は5%に過ぎません。
ローム質の肥沃な土壌が多く、ブドウとオリーブは最も痩せた土地に限られていて、それ以外は穀物と牧草に。典型的な地中海式農業というイメージ。
特にコルクの一大産地で、コルク樫のプランテーションは見渡す限りコルク樫が広がるような風景だそうです✨
コルクにおいては世界の50%ほどのシェアを誇るポルトガルですが、さらにそのほとんどがアレンテージョ産です。

ポルトガル北部の零細農家と違ってここは大規模な企業的農業が多い、規模の経済が活きる場所(前述のプランテーションなど)なんですね。

リーズナブルなワインが多いですが、海外市場でもアレンテージョのフルーティで親しみやすいワインが人気になっています。

アレンテージョには、1995年時点では45軒しかワイナリーはありませんでしたが、2015年には300軒、1800のブドウ農家となり、急成長中の産地です。

気候・土壌

主に地中海性気候で年間3000時間を超える日照量。
内陸は高温乾燥、年間降水量は600mm、収穫期の降水はなんと8mmという場所もあります。大西洋の影響を受ける地域や、標高の高い地域もあります。

土壌はローム質で、花崗岩と片岩が交じっています。
大部分は平地やなだらかな丘に畑が広がっていますが、北東部は山岳地帯です。

夏の気温は35度、ときには40度を越えるほど。アレンテージョの気候は高品質ワインを造るには不向きなため、Portalegre(北部のサブリージョン)のような標高の高い涼しい地域や、水分を少し保持してくれる片岩土壌の地域、温度管理や灌漑などの技術が高品質ワイン作りには欠かせません。

ブドウ品種とワインのスタイル

VRアレンテージョは生産量で最大のVinho Regional。作り方の規定やブドウ品種の縛りがゆるく、国際品種もよく使われます。

赤ワインは、アラゴネス(テンプラニーリョ、ドウロではティンタ・ロリス)とトリンカデイラ、アリカンテブーシェ、トゥリガナショナル、シラーなどのブレンドが多いです。

アレンテージョでは土着品種 + 国際品種というブレンドをよく見かけます。

トリンカデイラは乾燥に強く、スパイシーな赤系果実と豊富なタンニン。
アリカンテブーシェは色素とタンニンが豊富で、ブレンドによく使われます(果肉まで赤い品種で、色の濃いワインになります)。

赤ワインは色は濃く、タンニンは豊富ですが非常に柔らかく、しっかり熟した果実の風味を持っています。

白ワインは乾きを癒やしてくれるようなジューシーなワインが多いイメージです。
フレッシュなアリント(Arinto)、トロピカルなアンタォンバズ(Antão Vaz)、フローラルなロウペイロ(Roupeiro)などのブレンド。中程度から高い酸を持っています。木樽発酵もしくは木樽熟成されることもあります。
白はよりシリアスなものができるようになっており、特にサブリージョンのポルトアレグレが有名。このあたりは次回の記事でお伝えしたいと思います😁

今日のまとめ

土着品種が多くとっつきづらいポルトガルですが、アレンテージョ/アレンテジャーノは国際品種も多く作っています。
ポルトガルの入門として、アレンテージョから入るのもいいのではないでしょうか?✨

次回はアレンテージョ内の地域ごとの違いや注目産地などについて記事にしたいと思います!お楽しみに!

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