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#18. ポルトガルワイン総論。改めて全体像を知ろう!

こんにちは、72season'sアドベントカレンダー21日目です。

これまでは、産地ごとにポルトガルのワインを見てきましたが、アドベントカレンダーも終わりに近づいてきましたので、全体的なまとめに入っていこうと思います。

今日は改めてポルトガルの一般的な情報を見てみましょう。

ポルトガル総論

国土はだいたい日本の1/4人口は1000万人ちょっとなので、東京都より少ない人口しかいません。
全体的に地中海性気候の影響を受け、オリーブ、ブドウ(ワイン)、小麦、コルクなどが主要農産物の典型的な地中海式農業の国だと言えます。
ブドウ畑は全農業面積の35%にも及び、どの国よりも大きい割合を占めます。イタリアのように、すべての県でワインが生産されています。
また、ワイン生産量は670万hLほどで世界11位となっています。

イベリア半島の西に位置し、西は大西洋に開け、南は地中海の出口を抑える絶好の場所。大航海時代を切り開いたのがポルトガルであった所以です(ポルトガル王子エンリケ、バルトロメウ=ディアスの喜望峰到達、ヴァスコ=ダ=ガマのインド到達など、覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか)。

そして海に恵まれているということは、食文化として魚介をよく食べる国です。一人あたりの魚介の消費量は日本に次ぐ世界6位。特にイワシが有名です。また一人あたりの米の消費量もヨーロッパ1位だそうで、どことなく日本に似た食文化のように感じられますよね。
(ちなみに72season'sは、ポルトガルワインと日本食の相性の良さを確信し、ポルトガル専門インポーターとして創業しました😄)

ポルトガルといえば、多くの人がまず思い浮かぶのはポートワインではないでしょうか。そしてマデイラワインも有名です(ここで思い出しましたが、マデイラワインの記事を書くのを忘れていましたw)。なんといっても世界3大酒精強化ワインのうち2つを産するポルトガルです。

そして、酒精強化でないワインでいえば、フルボディの赤ワインに、ライトでフレッシュな白ワインが多い印象です。

しかし、とにかくポルトガルワインの面白さでもあり、難しさでもあるのは、250種にのぼる土着品種と、多種多様なブレンドです。フィールドブレンドも世界でおそらく最も残っている国です。

土着品種とフィールドブレンドがこれだけ保持されたのは、1932年から1968年まで続くアントニオ・サラザールによる独裁政権で、鎖国的な状態になったことが要因と言われています。この間、ワインは協同組合による生産が主体となり、国内向けの生産となり、発展する諸外国のワイン産業に対して遅れを取ることにもなったのですが。

ポルトガルワインが発展するのは独裁政権とその後の革命期を経て、1986年にEUに加盟してからになります。EUからの投資が流れこみ、輸出市場が開かれたことによって、ポルトガルワインが輝くようになります。ドウロの酒精強化でないスティルワインもようやくDOCとして認められます。

そういう意味で、ポルトガルワインはポートワインに代表されるような古い歴史を持ちつつも、1900年代の遅れによっていまなお発展途上にある、そんな面白い産地なんですよね✨

今日のまとめ

今回はポルトガルワインの全体像について簡単にまとめてみました。
次回は統計情報なども出しながら、このアドベントカレンダーの復習になるような記事を書いてみようと思います!お楽しみに!



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