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#4. ポートワインを生む銘醸地「ドウロ渓谷」。産地とワインの特徴をざっくり理解しよう。

こんにちは、72season'sアドベントカレンダー5日目は、ポルトガルの一番の銘醸地「ドウロ渓谷」です!

今日は初回なので、ドウロのワインってこういうものだよ、というイメージがざっくりできるような簡単な記事にしたいと思います。
そしてドウロ渓谷の記事は何本かに渡るはずです。連載をお楽しみに!

ドウロ渓谷の位置、気候

ポルトから東に80キロ、山脈を越えた場所にあります。ドウロ川とその支流沿いに産地が広がっています。
山脈を越える、ということは山脈によって海の影響が遮断されるため、とても乾燥した気候になります。ドウロ渓谷は深い谷になっており、熱がたまるためポルトガルでも最も暑い場所でもあります。

ドウロ解説

ワインの特徴

赤ワインは暑い地域らしい「ザ・フルボディ🍷」という印象。色は濃く、タンニン(渋み)もしっかりで、香りも強いです。パワフル、重厚という形容詞がぴったりです。アルコール度数も高めの14%を超えることもよくあります。

一方白ワインは、というと打って変わって思いのほかフレッシュ!✨
フルーツのみずみずしさが感じられて「はあ〜清涼感・・・」という雰囲気に包まれるようなものが多い印象です。
赤と白を飲んで、同じ産地だとはにわかに信じがたい感じになります。

多様性こそがドウロの特徴

なぜこういうことになるかというと、それは標高のバリエーションと、斜面の向きのバリエーションが豊富なため。
標高が高くなれば涼しくなり、北向きの斜面であれば日照量が少なくなります。ドウロ川本体と多くの支流が形作った谷、その斜面の多様性がワインの多様性を生むのです。ちなみにマックスで標高800mぐらいまで畑があるそうです。

以前、弊社の扱うSecret Spot Winesの醸造責任者(ルイさん)に、ドウロのロゼについて質問をした際、こういうやりとりがありました。

私: トゥリガナショナル100%のロゼを造られていますが、あれはどういうゴール設定で造られたんですか?そのために留意したことはなんですか?

ルイ: It should be aromatic, fresh, crisp, and have a long finish. So immediately we thought of the high areas of the Douro Valley. With high we mean 600 meters and Favaios, where the winery is located is the ideal spot for it.
(訳: 香り高く、フレッシュで溌剌としていて、長い余韻を生み出したかった。だから真っ先に標高の高い畑が思い浮かんだよ。高いっていうのは標高600mぐらいのことだけど、ちょうどうちのワイナリーがあるFavaios村が一番だと思ったね。)

このやりとりからもわかる通り、ドウロの生産者は作りたいワインから逆算して標高を戦略的に選ぶことができます。

ワインの紹介

Secret Spot Winesには古木のシリーズが2種類あり、ラクラウ・オールドヴァインズはよりエレガント、クロケッドヴァインズはより重厚なスタイルに仕上がっています。
この違いも秘密は標高と斜面の向きにあり、オールドヴァインズは高地の北向き斜面で作っています(画像参照)。それによって暑いドウロ地区において、エレガントな赤ワインを作ることに成功しています。

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Niepoortという生産者のRedoma Brancoは標高500~600mの高地の畑で作られ、非常にフレッシュでエレガントです。

また、まだ飲んだことはないですが、Niepoortはリースリング種でモーゼル(ドイツの産地)のスタイルを目指したワインも造っています。やや甘口でアルコール度数は9%。こちらは標高750m!ドウロはモーゼルと土壌的な共通点もあるので、かなり似たスタイルになっているのではないでしょうか。ぜひ飲んでみたいです。

まとめ

振り返ってみると、「ドウロのワインを簡単に知ってもらって興味を持ってもらいたい」という気持ちで書いたのに、なんだかより難しくしてしまったような気がします。。

まずは、ドウロ渓谷がポルトガルの中でも特に素晴らしいワイン産地で、赤はフルボディ、白はフレッシュ、というイメージを持っていただいて良いのかなと思います!☺️
ちなみに宣伝になりますが、文中で紹介したトゥリガナショナルのロゼは、コスパ抜群でとっても美味しいのでおすすめです😁笑

ドウロの記事は長くなりそうです...笑
ではまた次回!最後まで読んでいただきありがとうございました!

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