野の花はすてき(1)



わたしはがんばっていると思う。
一生懸命生きている。
人の役に立ちたい!と思っている。
誰かに喜んでもらえることが
わたしの喜びでもあるかな〜
なんて思ったり。

だから無理してがんばってるって
いうわけではなく、
むしろ、やりたくてやっている。

でも、、、

がんばってる量と喜んでもらえてる量の
バランスが悪いっていうか、、、
わたしよりがんばってない感じの人が
人から喜ばれていたり、
人気者だったりすると
んん?と眉間にシワが。

がんばってるわたしより
ニコニコ愛想がいいだけの人が
ちょっとしたことで感謝されるのって
なんでかなぁ…。


昨日も超忙しくて、
わたしは色々引き受けてがんばった。
なのに、
おつかれさまです〜!なんて
軽く言うあの人をみんな褒める。
ちょっとニコニコしてるだけの
愛想がいいあの人。

なんで?!って
ちょっとだけイラッとする。
だから、少しつっけんどんに
あー、おつかれさまー、、
と返したら、
にっこり笑って
今日はありがとうね!
と言われた。

うっ、、、
なぜだか負けた気がする。
謎の小さな敗北感。


そういえば…
小学3年生の頃も
こんな気持ちをよく感じたっけ。

いつも近所の女の子3人で
下校してたんだけど、
みさきちゃんはニコニコしてるだけで
なんにもしない子だった。
ゆりちゃんは甘えん坊さんで
助けてあげなきゃいけない子だった。
わたしは二人のお姉さん的な役割で
いろいろお世話していたのに…
ゆりちゃんは困ったことがあると
いつも一番にみさきちゃんに
話していた。

その時と同じ
ちょっとした敗北感。

だって、そういうことは
わたしに話すんじゃない?普通は。
みさきちゃんはニコニコしてるだけで
なんにもしないんだから…
助けてもらいたいなら
わたしに話すべきでしょ!?

なのにゆりちゃんは
いつも先にみさきちゃんに
話してたんだよなぁ。

一生懸命って
ニコニコに負けるわけ?
この世界は
ニコニコ勝ちなのか!?

あー、
ごちゃごちゃ考えてたら
休憩時間が終わっちゃう。
会社近くの公園のベンチから
立ち上がろうとしたその時、、、

「ニコニコって最強だよね」

え!!?誰?
ひとりでベンチに座ってたのに!

声がした方に目を向けると
そこには、、、??!!
ぽっちゃりしたうさぎ?!のような
ぬいぐるみ??みたいなのが現れて
話している!!

えーーーー!誰?なに?
なんだ?このマンガみたいな展開!

「マンガみたいって思うよねー」

え?心の声届いてる?

「うん!全部聞いてた」
「ニコニコ勝ちの世の中かって
ぷんすかしてたよね」

ぷんすかって…

「いつも人のために一生懸命なのに
なんでニコニコに敗北感かんじるんだって
ぷんすかしてるよね あはは」

はぁ?!!
怒りん坊扱いしないでよ!!
別にぷんすか怒ってないしっ!!

「それって…怒ってる…よね⁈」

ゲ。
たしかに。

「やりたくてやってるのに、
なんでそんなに怒ってるの?」
「無理してがんばってるわけでも
無理矢理やらされてるわけでも
ないんでしょ?」


そうだけど、、、

そうなんだけど、でも、、、
ニコニコしてるだけの人の方が
評価されるんなら、
せっかくがんばったのに
やってられないって思っちゃう。


「自分も評価されたいってこと?」

それはまぁ、
少しぐらいは、、、。

イヤ、そうじゃなくて!

ニコニコしてればいいのか?!
って話!!

「それは…」
「ニコニコしてる方がいんじゃない?」

いや、
ニコニコしてればいいのかって
言ってるの!!
がんばってる人より
ニコニコしてるだけの人の方が
優ってるのか?!!って!!!

「ねえねえ、それってさぁ」
「がんばってるわたしの方がすごい
ってことを言いたいだけなんじゃ?」

「それにさぁ」
「ニコニコしてる人が
がんばってないって前提だよね?」

「ニコニコしてる『だけ』って
言い切れる?」

「ニコニコしてるっていうだけで
周りを和ませることもできるから、
それはそれで素敵だけど…」
「仕事中においては
ニコニコだけで評価されるのは
ちょっと厳しいよね」

「だとしたら、
実はニコニコしてるだけの人
じゃないんじゃないの?」
「どういうところを評価されてるのか
ちゃんとリサーチした?」


うっっっ、、、


「それと、気になってるんだけど」

「ニコニコに負けてるかんじがイヤなのか、
ニコニコしてる人がイヤなのか、
それとも、、、」
「がんばってる自分を認めてもらえないって
ことがイヤなのか」

「どれ?」


うっっっっ、、、、

ぽっちゃりうさぎめ!!
がっつりポイント突いてくる。


ーつづくー



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