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決まらない美容院 4/4

私は結婚をして、田舎から都会に引っ越した。


そろそろ新しい職場に出勤しなければならない時期であったことと、私の明るい髪の毛は、色がぬけて悲惨な状態になっていたので、家の近くの美容院をホットペッパー(アプリ)で探した。


私は都会に引っ越してきたのだが、家の周りには美容院があんまりなかった。そのため必然的にどこに行くのか絞り込まれていった。


そこで出会ったのが、今も通っている美容院だ。かれこれ1年くらい通っていて、今までに多分7回くらいは来店しているはずだ。


はじめてその美容院に行く日、“都会に来た”という感覚から、今までの服装ではだめだと思って、それなりにちゃんとおしゃれを意識した。都会の店で買ったばかりのワンピースをおろして美容院に向かったのである。


そんな気負いをして向かった美容院で迎えてくれたのは、40代くらいの女性美容師であった。
その方はとってもラフで適当な服装で、しゃべり声が店内の誰よりも大きくて、ものすごく大雑把だ。・・・私はなんとなく気が抜けたのを覚えている。

なんとなく気が抜けたまま、事前にインスタグラムで探しておいた理想の髪型をみせてカットとカラーをお願いした。
仕上がった私の髪はその画像の通りで、“まっきんきん”だった髪色はおちついた色へと変わっていた。それから美容師さんが「ちょっとまいておこうか?」と言ってくれたのでお願いした。


ーーそのヘアセットに私は感動した。

なんだかわからないけど、とにかく、「都会に来た---!」という気持ちになったのだ。
なぜなら、鏡には、都会にきて髪型も都会的になったような気がする私が映っていたからだ。



その感覚がうれしくて、私は今でもその美容院に通っていて、今でも40代女性のがさつで声の大きい、でもヘアセットが上手な美容師さんに担当してもらっている。


ーだけど、最近、また美容院を変えようかと思っている。
なぜかって、とにかくがさつだからだ。一年通う中でお互いの遠慮みたいなのもなくなってきたのか、だんだんとがさつさが増してきた。


とにかく思い通りの髪色に仕上がらないのだ。(ヘアセットは素晴らしいけど)

暗くしようと思っていくと、なんだか少し明るくなったり。暗くしたいわけじゃないけどすごい真っ黒になったり。


「いかがですか?」と聞かれた時に、「いい感じです」としか言えない自分が悲しい。


カウンセリングのときに、あーだ・こーだと、細かい注文をできない自分が悲しい。


理想の画像を見せてお願いをしてもその通りにならず、「モデルと自分の顔の大きさが違いすぎるから、まず骨格が違うからそうならないんだ」と思って無理やり納得しようとしている自分が悲しい。


あぁ、私は同じ美容院に通い続けたいとおもうのだけど、なかなか難しい。

どうすればいきつけの美容院ができるのだろう。

髪を切ったりカラーをしたいとおもっても、行く先を探すことからはじめるというのがとにかくめんどくさい。

わたしの行きつけの美容院さがしはまだまだ続きそうである。




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決まらない美容院。

なぜ決まらないのか私は何となく自分でもわかっている。

理由は、自分の好みが変わること、金銭感覚が変わること、住む場所が変わること、、いろいろある。

いろいろあるけど私の場合は、「自分がこんな髪型にしたい」というはっきりとした明確な意思表示ができない自分の性格にあるような気がする。

私は自分に合う髪型がわからない。

理想のヘアスタイルをみつけても「どーせ・・・」という気持ちで諦めてしまう(モデルと自分は違う、とか。)

でもだからといって、美容師におまかせしたとしても、「なんかちがう・・・」と思ってしまう。

その「なんか」がわからない。


・・・この繰り返しだ。


きっとまた、この美容師さん素敵だなとか思う人に出会えたら、そこが行きつけになるような気がする。

大切なのは、どんな髪型になるかより、ほんとうは、美容院での過ごし方にあるのかもしれない…。


「決まらない美容院」このタイトルで文章をつづってみようと思ったのは、昨日、声がおおきくてがさつだけどヘアセットがうまい40代女性美容師に髪を染めてもらったけど、なんだか思い通りにならなくて、

「お金もったいないなぁ…」と思いながらも、ホットペッパー(アプリ)で新たな美容院さがしをしてしまっているからである。

おわり

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