過純性ブリーチの考察

アイドルマスターシャイニーカラーズ3rdライブ 名古屋公演お疲れ様でした。過純性ブリーチを聞いていて、とりあえずエモい事だけは感じているのですが、どうにも言語化ができず理由を説明できないので、いろいろ考察してみました。

読む前に
・WING編などのストーリー、各カードコミュのネタバレ含みます。

・どこにでもいる1人のオタクの妄想(考察)語りです。
人によってさまざまな切り口、解釈があると思うので、解釈違いだなって思った方は本記事はスルーしてください。こう考えた奴がいたんだなというだけです。見逃し等ありましたら申し訳ありません。

・人それぞれのプロデュース、受け取り方があるのが、アイマスの面白いところだと思っています。

・過純性ブリーチの歌詞をご用意ください。

目次
1.西城樹里というキャラクター
2.過純性ブリーチってなんだろう
3.歌詞の意味とファクターの示すもの
4.まとめ
5.感想
EX.出典と補足説明のコーナー

1.西城樹里というキャラクター

初めに、西城樹里というキャラクターの定義から。
プロフィールについては省略しますが、いくつかの樹里のストーリーを追うと、強めな物言いはするものの、基本的に真面目で面倒見が良く、他人を思いやれる女の子だとわかると思います。また、具体的な言及はないものの、過去に何かしらのトラブルがあり、長く続けてきたバスケという居場所を失っています。(※1) 

作中で幾度も思い出したり振り返ったりする描写が入るほど大事だった居場所を失い、髪を金髪に変え、何か新しい事を、新しい居場所を探してさまよう樹里(※2)に、プロデューサーが声をかけ、アイドルの道に導きます。

そのアイドル道の中でも、自分は何かになれるのか、変われるのか、何ができるのか、居場所を探し求めて道に迷い葛藤を抱えながら、それでも何とか前に進もうともがく。(※3)

樹里はそういう何とも人間臭いキャラだと思っています。

2.過純性ブリーチってなんだろう
次に、樹里というキャラクターが見えたところで、今回のテーマに入っていきます。
そもそも、曲名の"過純性ブリーチ"って何でしょうか。初めて見たとき意味が分かりませんでした。有名な某ジャンプ漫画が頭に浮かんだぐらいです。

>ブリーチ
"髪の毛の色素を抜くこと(脱色すること)。髪をブリーチ(脱色)し、その上から色を重ねる事で、より透明感のある綺麗な色に染まるそうです。

>過純性
”純性”はそのまま純粋(まじりけのない、ひたむきな)を意味し、過は純性の強調と考えられます。

つまり、過純性ブリーチとは、
”過去を脱色して、真っ白になった樹里が、
自身をこれからアイドルという色に染めていく”
という前進と決意を表すタイトルなのかと思います。

3.歌詞の意味とファクターの示すもの
さて、いよいよ歌詞の考察に進みます。

1番目
>歩道橋とレモン色の風船
1番にある”歩道橋に引っかかったレモン色の風船”とは、黒髪をブリーチし金髪に変えて、あの頃とは変わった、新しくアイドルとして進み始めたはずの自分は、過去のバスケの苦い記憶、居場所を失った記憶にとらわれたままである、という事を描写していると受け取れます。

>風が吹く
引っかかった風船は風により空高く羽ばたきます。
アイドルとして進んでいく中で、プロデューサーや放クラと関わっていき、新しい自分の居場所を見つけようと、何者かに変わろうと、樹里は藻掻き苦しみながらも前へ進み始めます。風船のようにすぐに高く羽ばたけるわけではない、それでも自分も前に進み始めた。いつかは自分も羽ばたけるようにと樹里自身の願望もこの描写には含まれるのでしょう。
また、風船という自分は空を飛び始めたものの、歩道橋という過去の記憶は今も残り続けるのだと思うと、なんとも味わい深い歌詞だなと思います。

>もしもあの日
かつての苦い記憶に囚われ続け、「もし」「こうだったら」という樹里の苦悩も後悔も、何も知らないアイドル道に飛び込んで試行錯誤をする事も、それはきっと、いつか”その経験があったから”と言える時が来る事を祈って前に進んでいきます。(※4)

>追い風
放クラが、プロデューサーが、応援してくれるファンが、背中を押してくれる、それを感じた樹里はがむしゃらに前に進みます。過去と決別できたわけではない。それでも立ち止まりそうになっても何度でも前に進む。樹里の決意が感じ取れるパートだと思います。

2番目
>野良猫
居場所を求めて、でも内心を悟られない為に尖っていた自分と、居場所がなくとも逞しく尖ったまま生き抜く野良猫は、樹里からすると懐かしく思えると共に、眩しく映るのかなと思います。
また、野良猫は、裏返せば「集団に属さない=他者との関わりを拒絶している」とも受け取れ、居場所はほしいが、また自分は居場所を追われるのではないか、大丈夫だろうか、いっそ独りがいいんじゃないか、という二律背反を背負っているようにも見えます。

>のんびり欠伸して~笑いあうまで側にいるよ
放クラという居場所を見つけた自分(※5)は、あの時野良猫だった自分に、今なら寄り添ってあげる事ができる。何かしらの理由で居場所を奪われるという良くある苦悩と後悔が笑い合えるようになるまで、今度は自分が背中を押し、誰かの居場所になるのだと。あの時、放クラがプロデューサーがファンが自分にそうしてくれたように。

>空耳
野良猫だった自分がもう大丈夫かと問いかける。
もう大丈夫だと。過去の苦悩と向き合っていた自分は振り返り前を向くことができた。こんな私でもほっといてくれないお節介な奴らがいる。やっと見つけた居場所で自分はこれから咲き誇るのだと。

4.まとめ
今回の考察のまとめになります。
過純性ブリーチは前進と決意の曲だと書きました。
1番は、居場所を追われ、野良猫となった自分は、放クラ、プロデューサー、ファンと関わって行く事で、過去と決別できたわけではなくとも、がむしゃらに前に進み始めました。樹里自身の「頑張れ自分」というエール。
2番は、居場所を見つけ、前を向くことができた自分。今度は自分がだれかの居場所になるんだという決意と「私がいるよ」という誰かへ向けたエール。そういう曲なのかなと思います。
また、本稿に居場所という単語を多用したのは、それが樹里というストーリーのテーマの一つと考えているからです。放クラという居場所に辿りつき、そして次のテーマの一つとして「前に進むこと」や「誰かの居場所になろう」という決意が曲として表現されていたのかなと思います。

5.感想
私個人にも山のように失敗とか後悔とかあって、そういう記憶程なかなか忘れられないです。だから樹里に重なるところがあり、魅かれ、背中を押したいと思ったのかなと思っています。

最後に、このような素晴らしい曲がソロ曲として出てきてありがたいなと思うとともに、シャニマスに関わる全ての皆様に感謝を。

空き箱

Special Thanks : きんぐサーモンP、icecoffee
査読ありがとうございました。

EX.出典や補足説明のコーナー

※1 樹里がバスケを辞めた理由と居場所の考察
バスケを辞めた理由として、①身体の故障、②単純に飽きた、③チームにいられなくなった。(人間関係のトラブル)が考えられます。
①の場合、バスケだと膝や足首、主に下半身を壊す事になりますが、その場合、ダンスが困難になります。しかし作中にはそういった描写はなく、おそらくこれではないと考えられる。
②の場合、プロデュース中、見たい試合があるから休みたい、というシーンがあるようにバスケ自体への興味を失ったわけではないと思われるので、これではない。
③消去法として、何かしらのトラブルでチームにいられなくなった、が該当すると考えられます。
「曲がり角のランウェイ」の"Sweet!Sweet!Runaway!"で表現される体育館に足を運んでいる描写から見ても、何かしらバスケ(居場所)への心残りが見て取れます。こういった描写からも、バスケは樹里にとって大事な居場所であった事が伺えます。しかし、その場所から去ったという事は、①、②の理由を除外すると③人間関係かと考えられます。
また、「とびっきりジンジャー」の”クッキー・ココア・ハートエイク”では言い争いと受け取れるシーンがあり、何かしらの揉め事があったことがうかがえます。
以上から、樹里は人間関係が原因でバスケを辞めたのかなと考えます。

※2 居場所を探す樹里
共通コミュの"一番最初の気持ち"の選択肢で「樹里らしいアイドルになってきた」を選ぶと、"アンタに誘われてちょっとわくわくした""あの頃はなんでもいいから新しい事に挑戦したかった"という発言があり、バスケという居場所を去った事を踏まえると、やはり次の自分の居場所を無意識下にでも探していたのかなと思います。

※3 変わりたい樹里と葛藤
「曲がり角のランウェイ」の"「最初から、あったんだ」"を読むと、"前に進みたい、頑張ってみたいって思った、本当に衣装一つで変われるなら。けど進めているかわからない。今のアタシには正解が無い。プロデューサーや放クラに会って、何かできるかもと思ったけど、どんな風になりたいか分からない。”という描写がでます。

※4 経験したから寄り添える事
「曲がり角のランウェイ」のTrueコミュ
"辛い、苦い経験をし、いろんな気持ちを知ってるから、樹里は優しくなれるのかもしれない"

※5 放クラが自分の居場所
「秋陽のスケッチ」のTrueコミュ
放クラが、アタシの帰る場所だから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?