空間的知識

ピアジェ理論には、数学的知識と言われるものがある。その中の一つ、空間的知識について、例を挙げると・・・

空間的知識とは、ある物を起点として、前後左右を関係付ける能力のことを指す。生まれたての子どもは、自分を起点として、前後、左右という関係づけは出来ない、というか考えることはない。だから、1歳児がよく靴を左右間違えて履くことがあるが、これは子どもたちにとって、右足、左足の違いはなく、同じくただの足であることによる。従って、右足に右足用の靴、左足に左足用の靴を履く必然性は生まれない。左右という関係づけが出来て初めて、右足に右足用の靴を履く必然性を理解する。

また、図形においても、空間的知識が必要となる。例えば、子どもが一番初めに描くのは大体線が多い。なぜかというと、線は開いた(open)空間であり、関係づける要素が少ないため。一枚の真っ白な紙は、開いた空間。そこに描く線も開いた図形。だって、どこまで描いても線は線だもの。何の制限もない。まず、たくさんの線を描けるようになって、次に描くのは、ほとんどが◯のような形。ここで、初めて閉じた(closed)空間となる。開いた図形から閉じた図形が描けるようになるって、すごい成長。◯はすべて囲まれた閉じた図形ということは、私たち大人は、形から理解できると思う。そして次に書くのは、△と□、どちらだろうか?

答えは⬇️に





△である。理由は、△は角が三つで、□は角が四つとなり、関係づける要素が△の方が少ないため、簡単だから。◯に至っては、角が0ということで、ただ閉じと空間を理解すれば、描けるようになる。

こんなふうに、子どもの絵一つをとっても、子どもの大きな成長を目の当たりにすることが出来る。子どもの発達を研究してくれた先達に感謝しながら、今日も楽しく子どもたちと向き合っていこうっと❤️

#ピアジェ #空間的知識


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