睾丸腫瘍発覚の日....(2)
「あーこれ腫瘍ですね」
とっさに言われた一言。
一瞬何を言われたかわからず、えっ.....?と聞き返した。
「これ腫瘍です。早く取らないと。」
....シュヨウ?シュヨウって何?腫瘍?癌のこと?腫瘍って癌?癌だよね?
癌なの?癌?癌って?え?腫瘍?
その前に腫瘍とかってそんなにさらって言われるものなの?
もっと深刻な感じで言われるような病気だと思っていた。
色々な情報がたくさん入ってきてもう人生で一番というぐらい焦り、
いきなり目の前が真っ暗になった。
【腫瘍】という言葉が頭の中を埋め尽くす。
何も考えられなくなった。
診てくれている先生がなにかいっているが、何をいっているのかわからない。
ドラマや映画等で聞いたことがあるフレーズ。
まさか自分に腫瘍ができるなんて。
え?これからどうなるの?治るの?腫瘍って癌だよね?死ぬの?
昨日まで何事もなく普通に暮らしていたのに。
なんで?痛みもなにもないよ?
その時の私は、腫瘍の知識がなにもなかった。
ドラマや映画で病気の話があって聞いたことがあるくらいで、
とても悲しい内容でもどこか他人事の様に感じていた。
内心、自分には関係ないだろうなと思っていた。
そんな「腫瘍」という言葉が自分にいきなり降りかかってきたのだ。
どうしよう。どうしよう。とすごく焦って不安になっていた。
先生に何度か呼ばれて、我に返った。
今思えば、漫画のように、意識がとぶことがあるのだと思った。
先生、腫瘍ですか?私どうなるんですか?と聞いた。
「一旦落ち着いてください」と言われ、
「詳しく調べる必要がありますが、これはおそらく腫瘍です。」
また腫瘍という言葉を言われた。やはり腫瘍なのか。
そのあと先生が、この腫瘍についてのことと、今後のことをお話してくださっていた。
ここまで大きくなるにはおそらく一年前ぐらいから少しずつ大きくなってきていただろうということ。
(全く気づかなかった...)
詳しく検査をしないとわからないが、
腫瘍だった場合、睾丸腫瘍は転移が早いため、なるべく早く摘出しないいけないということ。
尿検査、血液検査、転移がないか調べるために、CT検査等、たくさんの検査をした。
検査結果はやはり睾丸腫瘍とのことだった。
正式名は、【左精巣腫瘍】という病名だった。
検査前にも言われたが、
この腫瘍は、転移が非常にはやいから早く摘出してはいけないとのこと。
CT検査をしたところ、転移は見られないが、
摘出してみないと何もわからないとのことだった。
そこから、入院手続き、手術の日取り等、すごく早く決まっていった。
本当にはやく取り出さないと危険らしい。
私は、仕事もしていたので、
上司に電話で、この病気のこと、入院し手術をしなければならないといけないこと。
手術後のことは、手術してみないとわからないが、
とりあえず1週間程度はお休みが必要の旨、連絡をした。
私の仕事は、人不足ということもあり、本来ならば、休める状況ではなかったのだが、
上司、同僚に協力をしてもらい、なんとか休むことができ、治療に集中できた。
先生が言うには、手術といっても、手術自体はとても簡単だということ。
全身麻酔をし、足の付根のところを切って、そこから左の睾丸を摘出するということらしい。
約1時間ぐらいで終わる手術ということだった。
問題は、摘出してからステージがどの状況であるか等を判断し、
それによって治療法も変わってくるということだった。
手術の2日前ぐらいから入院をし、術前検査等を始めた。
人生で入院を初めてし、(大きな怪我等したこともなかった)
まさかの腫瘍ということで、
つい最近まで、何事も問題もなく平和に暮らしていたのに、
人生がすごく変わってしまった。
手術が終わるまで、病気のこと以外にも仕事、これからのこと、
将来子供ができるかなどとても不安になっていた。
これからどうなっていくのだろう。
それだけを考え、手術日が早くこないか時間ばっか気にしていた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?