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病気は気づくことから~吐く~

「吐く」という行動は犬猫では大きな疾患でなくても認められます。例えば、猫の場合「毛玉を吐く」こと自体は病的ではありません。しかし、グルーミング過剰で常に毛を飲み込んでいる場合には消化管の閉塞など思わぬ大きな病気に発展することがあるので対処した方がいいと思います。

犬の場合は「空腹による胃液の嘔吐」はよく耳にします。オレオ君もたまにします。この場合は「空腹の時間が長すぎること」が要因であることが多いです。夕方6時にご飯をあげて、次のご飯が翌朝8時である場合、14時間食事をとらないことになります。すると朝方、空腹で黄色い胃液を少量嘔吐することがあります。対処法としては1日量のご飯を3回に分けて8時間毎に与える、夜の空腹時間が長い状況なら、寝る前に少量ご飯をあげることで嘔吐する回数が減るでしょう。

では、病的な嘔吐とはどんな状態か。端的に言えば、連続的な嘔吐、嘔吐後の食欲低下および食欲廃絶が認められる場合などは要注意です。冒頭で述べたような「毛玉」や「空腹」による嘔吐の場合は吐いた後でも食欲はあります。

また、吐いたものも重要な判断材料になります。夕方食べた食事を翌日吐いている場合には、胃の運動性が低いことが考えられます。この場合は診療を受けることをお勧めします。

「吐く」という症状には2つタイプがあります。1つ目は「嘔吐」です。これは胃に入った食べ物を吐き出すため、症状として気持ち悪そうな様子(常に口の周りを舐めている、涎を垂らしているなど)や吐く際にえづく、腹部に力を入れる様子が認められます。2つ目は「吐出」で、食べたものが胃に入らないためにえづく様子もなくすぐに吐き出します。吐出の場合は「巨大食道症」という病気の可能性もあるため一度検査を受けた方がいいでしょう。

他には、「吐くしぐさや気持ち悪い様子が認められるのに吐き出せない症状」もあります。これは「胃拡張・胃捻転症候群」という緊急疾患の可能性があるためすぐに病院へ行ってください。

1回目に投稿したオレオ君の状態もまた今回説明したようなことから、いっつもの嘔吐ではなく、状態が悪いと判断しました。吐くことは犬猫よく見かける症状ですが…この記事が少しでも状況判断にお役立てできれば幸いです。

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