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なぜポケスリにハマったのか? ポケモンを抜いて考える #今年のベストゲーム

 Pokémon Sleep、ちぢめてポケスリに沼った要因についてポケモンのキャラクター性を出来るだけ除いて考察していきます。詳しいゲーム内容には触れず、適宜必要な部分の簡素な説明を行います。つまり、この記事でポケスリがどんなゲームか分からないということです。気になっている方はダウンロードして寝てください。

 いつも通り目次を見れば概要を把握できるようにしてあります。良かったらそこまでだけでもいいので目を通して.いただきたいです。



どれほどハマったのか

 簡単に自分がどれほど入れ込んでいるかを紹介します。毎日ポケスリをプレイしています(寝るだけですが)。そしてそれをまとめた1,000文字前後の報告を毎日”ポケスリ日誌”として発行しています。おかげさまで55日間継続できました。課金はほどほどといった感じです。

私なりの要因分析 3つのポイント

 専門家でも何でもないですが、なぜこれほどまでにポケスリに引き寄せられたのか考えてみました。最もシンプルかつ明確なのは”ポケモンだから”でしょう。もちろんこれも大きいですが、それだけで済ませてはあまりに面白みがありません。そこでより深堀したところ3つの要素それに付随する点が見つかりました。

要素1 睡眠=時間の浪費という構造を壊せるツール

 以前の私にとって眠るということは時間の無駄遣いに近しいものでした。その間は何も出来ないし、その間の行動は自分でコントロールしづらいものだからです。

 少し言葉が強すぎる気がしますが、誰しもこんなことを考えたことがあるのではないでしょうか?何を時代錯誤なことをと思われる方もいらっしゃるでしょう。
 ですが、テスト前や繁忙期、はたまた趣味のために睡眠時間を削ったことはみんなやったことがあるはずです。そんな時、眠るという行為が邪魔だと感じたことはありませんか?

 6時間、つまり1日の1/4をアンコントロールな状態に置かれるため睡眠をマイナスに捉えていました。さらに、自分の意思で決定したわけでもないのに二度寝をしてしまう、昼間ねむけに襲われ授業やデスクワーク中居眠りしてしまうといったこともあります。このように予定外のことで睡眠という拘束時間が増えてしまいます。こういったことが起こるときに限って時間が惜しい状況にあります。よって睡眠自体を疎ましく思っていました。

 私にとって、このような意識的な行動を差し挿めない区間に意識の一部を介在させられるのがポケスリです。とは言っても微々たるものですが。
 制御不能な領域の一部を自分のコントロール下におけるという体験が私にはたまりません。これにより睡眠時間を生理的欲求に強制される時間の浪費から自分で選んだ結果と見なせるようになり、睡眠に対する意識が変化しました。

 あまりこのことで同意を得られないと思うのでプレイを通じた現実的な利益について紹介します。こちらは共感を得られると思います。

現実とのリンク ゲーム結果向上=健康増進

 ポケスリの基本的な遊び方の1つを紹介します。スマホ等で睡眠を計測し、その結果次第で出現するポケモン(=成果)が変わってきます。成果は睡眠時間が長くなればなるほど良いものになっていきます。従って、ゲーム内利益追求=睡眠時間の確保となり、結果的に寝不足解消による健康増進となります。

 また、睡眠中の状態によって成果は異なっていきます。寝返りが多い浅い眠りとほとんど動かない深い眠りの比率によって3つのカテゴリーが分かれており、それぞれ出現するポケモンが全く異なっています。これによって自ずと自分の睡眠を確認することになります。そして、プレイヤーはお目当てのポケモンに合うために自分の睡眠及び環境を整えるといった行動を行います。言い換えれば、ポケスリがナッジとなり睡眠に対するPDCAサイクルが回っていくということです。

 ナッジについては下の消費者委員会のスライドで分かりやすく説明されています。簡単に言えば自然と好ましい行動をとるように差し向けるといったところです。

https://www.env.go.jp/content/900447800.pdf

 これにより以前より規則的な睡眠をとるようになり、2度寝や昼間のねむけが減り、効率的に日々を過ごせるようになりました。睡眠時間自体は伸びましたが。

ユニーク性 睡眠を遊びにする

 「毎日寝てます‼」という文言がフレンド募集掲示板で自己アピールに用いられています。こんなゲームを私は知りません。

 睡眠の質を測る等睡眠関係のアプリやウェアラブル端末は数多くポケスリ以前から存在しています。私は以前睡眠サイクルというアプリを使用していましたが、すぐに開くことすらなくなりました。これは、計測結果を見ても面白くなかったからです。

 ですが、ポケスリはゲームです。数値とグラフだけが表示される無味乾燥としたものではありません。睡眠以外にもポケモン育成やリソース管理といったゲーム性も含まれています。つまり、ポケスリは健康管理アプリ兼お遊びでもあるということです。睡眠の可視化+楽しみを提供してくれるからです。片方はあっても、両方を同時にするものは寡聞にして他に聞いたことがありません。

要素2 効率的な解は人による=試行錯誤要素

 ポケスリはプレイヤーごとに大きな差異が生じるアプリです。これは大きく分けて、プレイヤーの状況(睡眠等)とゲーム内要素のランダム性(サブ・せいかく)に起因しています。

 これらによって、汎用的かつ確定的な答えがない、あっても実現が非常に難しくなっています。またこれらによって完璧を求めづらく、ゆるくプレイできる点も魅力です。

 イメージですが、大抵のソシャゲには”人権”と呼ばれるとても強いキャラや編成があります。他のソシャゲで例えるなら、スカ×2+バサスロ(FGO)、湯リズリー+エフトラ(アイギス)、曲芸師(パズドラ)、クリオグリ(ウマ娘)といった汎用性があり、それさえ用意できれば大抵どうにでもなるといったものです(例えが古いのは許して)。

 ポケスリでもこういった構成はありますが、準備のために何十、何百回も睡眠する必要があります。課金をしてもそれほど時短にはつながりません。よって、大抵のプレイヤーはそれを目指しつつも現在持っているポケモンで手持ちを組むことになります。

 加えて、マスクデータが多く検証を行うのに睡眠や時間経過が必要なため未知の要素が多分に含まれています。こういったことからプレイヤーは未知の部分に踏み入っていく探索を楽しむこともできます。

 以下は私が他に好きなゲームで状況に合わせた試行錯誤が必要とされ、少しでも似ていると感じたものとその要素を紹介します。

Slay the Spire等デッキビルド型ゲーム好きがハマるかも

 ランダム性が多分に含まれ、現在持っているものと今後入手し得るもので目標をクリアするという点においてデッキビルド型ゲームと似ていると感じています。

 代表例としてSlay the Spireを挙げましたがそれとはかなり毛色が異なります。そちらからリプレイ性を無くし、育成要素を足した感じです。私のような心臓破壊程度しか出来ないヌルゲーマーにはこれくらいの方が楽しいです。

Civシリーズ等4X好きも気に入るかも?

 4Xとは、探索・拡張・開発・殲滅を含むゲームを差します。詳しくはリンクを貼っておくのでWikiを確認してください。ポケスリにこれにとぴったり当てはまる要素はありません。ですが、根底は類似しているように思います。細かく書くと長くなるうえややこしくなるため簡潔に対応する部分を紹介します。

https://ja.wikipedia.org/wiki/4X

 探索を未知を開拓・アクセス可能なリソースの確認ととらえた場合、睡眠リサーチがポケスリに当てはまります。これは睡眠計測の結果に基づいたポケモンが出現する段階のことです。

 拡張を利益拡大であり開発よりも戦略的なものととらえた場合、てもち編成・フィールド決定・キャンプ・なべ拡張貯蓄等が対応します。プレイしていない方にとってはわかりづらいと思いますが、中長期的な戦略が存在すると理解していただければ十分です。

 開発を利益拡大かつ拡張よりも戦術的なものととらえた場合、ポケモンやレシピの育成が当てはまります。これらによって成果物をより高価かつ多量にすることが出来ます。

 殲滅は直接対応しているものはありません。対戦や敵対組織が存在しないからです。ですが、目標達成+それによる利益獲得とすれば、カビゴンランクや寝顔集めが該当すると思います。ポケモンごとに寝顔が複数設定されており、ランクが高くないとアクセスできない仕組みになっています。

 無理やり感が否めませんが、ヌルめのストラテジーゲームファン的には似ている部分があるように感じます。殲滅段階よりもそこに至るまでの経路を考えている時が楽しい派なので殲滅をないがしろにし過ぎている気がしますが。

 ポケスリではこの道筋を考えるという行為を毎週、イベントがあるなら2週程前から行います。行わなくてもどうとでもなりますが、私は楽しいので行っています。私はCivで戦争は面倒だけどその準備が一番好きって人です。これに共感できる人はポケスリの素質あるよ。

要素3 幼少期の思い出とリンク

 ポケモンを小さい頃に遊んでいました。ファイヤーレッドやポケモンコロシアム、エメラルド、ダイヤモンドをプレイしていました。あとアニメもキッズステーションでよく見てました。現在ポケスリに実装されているポケモン達がちょうどカバーされている感じです。

 こんなこともあってポケモン達それぞれに思い出があります。例えば、鼻を押すと鳴くヒノアラシのぬいぐるみもってたなぁ、ノーマル・ひこうタイプだと思っていたチルタリス、通信ケーブル(≒つながりのヒモ)がワイアレスアダプタになって驚いたこと等他人からするとどうでもいいようなものが大半です。

 でも私にとってこれらの思い出が浮かんでくるとなんだか暖かい気持ちになります。同時に幼少期を振り返る位歳をとったんだなぁ…となんだかさみしくもなります。

原体験 それは人を沼に引きずり込む

 これはビックリマンチョコやキンケシといったものが数年(もしかしたら10年位?)前に再注目された理由と共通しているんじゃないかと思っています。

 子供の頃の記憶は長期間にわたって影響を及ぼすと言われています。マイナスな話題で言えば虐待やネグレクト、ことわざでも「三つ子の魂百まで」があるようにこのことは人口に膾炙されていると考えます。

 このように過去の強い記憶、私にとってはポケモン遊んだ楽しい思い出がポケスリを通じて追体験、あるいは思い起こされるできるためハマってしまったのではないかと考えます。

終わりに

 以上の3要素が私は思いつきました。ゲームの拘束時間が非常に短い等他にも好きな点はありますが、それは継続しやすい理由なので紹介していません。

 もしこの記事でポケスリが気になったという方は是非すぐにダウンロードして始めてください。このゲームにリセマラなんて存在しません。寝た日数こそが正義です。

#今年のベストゲーム

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