久しぶりに職に付くということ(続きではありません)

今の職場で頚椎損傷だけど、上半身はかなり使えて車椅子で自力移動している方がいる。

今年度の途中から働き始めた方で、今の職場は初めて勤める業種である。
怪我をなさる前は介護のお仕事をされていたそうで、クライアントにも役立つ情報を持っているという自信がおありの様子だった。

もちろんその知識はおありになった方がいい職場ではある。

ただ、業務内容が事務補助で営業している人間の補助なのだ。
あくまでも事務補助なので、本来は用意しておいてほしい資料を印刷しておくとか、少し小綺麗な資料の揃え方をしておくとか、あれこれ雑務をお願いすることになる。
それは喜んでなさるのだが、コピー機の扱いをご存知ないので機械の扱いから説明したり、コピー機の高さが高すぎて両面印刷は物理的に無理だったりする。
それでなかなか頼めないでいる用件もあるのだ。


そして、今この御時世で1番してほしい補助は営業所の消毒なのであった。


ところが、これが契約内容と違うと仰るのである。

私はあくまで営業の補助として雇ってもらっていると主張なさって、手の届く範囲内でいいから毎日決まった所だけは消毒してほしいと何度伝えても、営業の後で、と仰るのだ。

しかし、クライアントは体力が強くて身体もよく動く方が多く、下半身麻痺の車椅子の方がそうそう気軽に営業に出られるほど営業所が広くはないので、かえって気を遣い営業からすると怪我をしないか双方を見守る必要があって、ハラハラしてしまうのである。

更に、この仕事では先輩に当たる営業の仕事に対して、私ならもっと上手くできるから任せてほしいと仰る。

そして、どこからどこまで消毒されたか分からないまま、もう一度営業が消毒しなくてはいけない。
これはお互いに不毛なのだが、やはり上司がすっきりと説得をしないでいるので、ここ1ヶ月半未解決のままである。

こういう時に、せっかくの機会だから移動や運動に障害がある方が働くのは良いことだとできるだけ支援をしている訳だが、こちらは業務内容がどこからどこまでかは知らないから愚痴を聞いてもいいやら悪いやら判断することができない。
仕事がなくて辛いと言われても、してほしいことは放っておいている時には残念ながらありませんと断るしかない。


20年以上働いていない人が新しい仕事に就くというのは、本当に難しいことなんだなとただただ解決策を考えるような、時にはちょっと避けてしまうような、そんなことになるのが自分で自分が悪者になってしまって嫌だ。

本当に人付き合いは難しい。
だんだん年齢と経験を経てその方の良いところがあろうに、なかなか見つけられない日々が続いてしまっている。

私には夏休みはないんですか?と尋ねられたので、わたしには分からないんですよ、上司にお尋ねになってくださいって返事をした。
どうやら通常勤務だそうで、補助する人が休みなのに仕事は何もないのに、と仰って。
泣いてその場を去られて、どちらかへ行かれたのだが、慰める気力が出ず。

あるんだよなぁ、消毒が。
本当にそこが1番喜ばれるんだけどな。

あんまり言うと嫌だろうから言わないけど。


何かいい知恵が浮かぶといいなぁ。
仕事が終わるとあんまり考えないようにしているから、浮かぶかなぁ。

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