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フルマラソン2時間18分08秒を出すまでの練習内容を公開します!

このnoteでは、僕が去年のマラソン前に実際にやっていた練習メニューに加え、どんな意図があってその練習メニューを組んでいたのかをなるべく分かりやすく解説しようと思います。

ただ、練習メニューを書くだけではなく、その練習をやってどんな効果があったのか、やってみての反省などを自分なりにまとめて書いていきます。

これを読んでマラソンを目標に練習している市民ランナーの役に立てば嬉しく思います。

※この練習は所属してた大学の練習とは関係ありません。基本的に自分で考えて一人で練習していました。

練習組み立てのイメージ

当時、僕が目標にしていたのは2月の別府大分毎日マラソンで2時間15分を切ることでした。(結果的に足を痛めてしまい欠場しましたが…)

僕がマラソンに向けて練習を開始したのは8月上旬でした。その年の2月~7月は就活もあったり、自分自身走るモチベーションを失っていた時期でもあり、ほとんど練習らしい練習はしていませんでした。

その状態から別府大分毎日マラソンまでを逆算し、3ヶ月+3ヶ月で練習を組み立てようと考えました。

まず最初の3ヶ月間(8月~10月)で5000mをベストの記録まで戻す。その後、11月~1月で本格的にマラソン練習をするという考えでした。

8月の状態では恐らく5000m15分00秒も切れなかったと思います。3ヶ月かけて14分30秒まで持ってくることを1つ目安にしました。

最初に5000mに向けた練習をした目的としては、いきなりマラソン練習を始めると故障のリスクが高いことや、5000mのレースペースを身体に覚えさせることでマラソンペースをゆっくりに感じさせるためです。

その後、本格的にマラソンの距離に対応できるような練習に移行していき、2時間15分切りを目指す作戦でした。

具体的な練習メニューは下に記しますが、この流れがうまくはまり自分のイメージした通りに調子が上がっていきました。

では、前置きはこんなところにして具体的な練習メニューを見ていきましょう。

※8月は練習再開したばかりでジョグしかしてなかったので省きました。月の前半は60‘前後のジョグ、後半にかけて90'まで時間を伸ばしジョグをしました。ペースはkm4‘30“前後です。月間走行距離は410kmでした。

※毎日の練習を書くとボリュームが多くなり過ぎてしまうため、ポイントとなる練習だけ書いています。その他の日は体調によってレストにしたり60‘以下のジョグを行なっていました。

9月練習内容

1日(水)25km走 ave.3’42”
2日(木)85’jog ave.4'34" 18.4km
3日(金)75‘jog ave.4’45” 15.8km
4日(土)25km走 ave.3’40”
5日(日)85‘jog ave.4’39” 18.3km
7日(火)80’jog ave.4’22” 18.3km
8日(水)30km走 ave.3’42”
12日(日) 200m×6 2set 30”切り r.200j
13日(月) 20km走 ave.3’27”
15日(水)400m×7(64”)+200m×1(27”)  r.200j
17日(金)100’jog ave.4’14” 24km
19日(日)80‘jog ave.4’12” 19km
                 1000m×3 2’53”→2’49”→2’44” r.400j
20日(月)100‘jog ave.4’26”
22日(火)14000mPR ave.3’23”
25日(土)3000mTT 8’35”
26日(日)90’jog ave.4’21” 20.8km
27日(月)95‘jog ave.4’12”
28日(火)10000mPR ave.3’12”
 
9月走行距離” 563km”

8月の後半から9月の前半にかけてまずは長い時間・距離を走り、土台を作ることを目的に取り組みました。しかし、この時期は練習不足だったこともあり状態はあまり良くなく、距離走をしても3'40"/kmでいっぱいいっぱいというところでした。8月・9月は我慢の時期になると覚悟していたので動きが良くなくてもあまり気にせず、やるべきことを淡々とこなしました。
きっとこの時期に焦ってタイムを追った練習をしていたら上手くいかなかったと思います。
ある程度走り込みができてきた中旬あたりからスピード練習を入れていきました。
VO2maxに刺激を入れるインターバルというよりは、リカバリーでしっかり心拍数を落として回復させてから走り出し、解糖系に刺激を入れるようなイメージで行いました。この練習はしっかりスピードを出すことが大事ですが、動きが固くなったり無駄な力が入らないように意識して取り組みました。
また、この時期になってもスピード練習とセットで翌日には必ずロングジョグを入れるようにしました。ポイント練習の次の日にロングジョグを入れることで効率よく有酸素能力を向上させることができるからです。
8月の締めには3000m TTで現状確認を行いました。設定は2‘50“押しで8‘30“を目安に走りました。若干設定から遅れたものの、状態の上がり具合は良かったと思います。
この時は、5000m以下の距離であればそこそこ走れるイメージはありましたが、10000m以上の距離を速いペースで押していける感覚はありませんでした。LT値が低かったのだと思います。
その為、10月はLT値向上のためのトレーニングをメインに取り組むことにしました。
※走る速度を上げていくと乳酸が急激に増え始めるポイントがあります。それがLT値です。一般的には1時間走りきれるくらいの速度と言われています。LT値付近のペースで練習することでこの値が高まり、より速いペースで長時間走ることができます。詳しい練習は10月の練習に書きます。

10月練習内容

5日(火)100’jog ave.3’55” 25.5km
6日(木)16000mPR ave.3’16”
8日(金)100’jog ave.4’08” 24.1km
10日(日)3000m×3 9’06”→9’05”→8’52” r.1000j(4’30”~5’00)
11日(月)80’jog ave.4’06” 19.6km
14日(木)10000mPR ave.3’05” 30’56”
15日(金)80‘jog ave.4’28” 18.3km
16日(土)120’jog ave.4’19” 27km
20日(水)80’jog ave.4’29” 18.3km
                 200m×30 r.200j 32”→50“
22日(金)85’jog ave.4’32” 18.3km
23日(土)  2000m+1000m(5’30”→2‘43“)
24日(日)90’jog ave.4’26” 20.3km
25日(月)70’jog ave.4’22” 16.4km
27日(水)200m×30 r.200j 32”→50”
 
10月走行距離“512km”

10月はLT値付近でのペース走、分割走を中心に行いました。まだまだ本調子ではないもののこの時期くらいから徐々に調子が上向いてきました。練習に飽きがこないようにペース走と分割走を組み合わせて行いました。分割走をやる時の注意は、この練習はレペではなくLT値を向上するためのインターバルなのでペースを上げすぎないこと、リカバリーをしっかりジョグで繋ぐことです。ペース走を分割するイメージです。ペース走であっても分割走であっても生理学的な効果は大きくは変わらないと思うのでLT値に刺激を入れたい場合は、一気に走りきるのがきつい時は分割走でもいいと思います。10月は後半に2000m+1000mを行いました。本当は記録会に出場する予定でしたが、日程的に練習の流れに合わなかったので回避しました。感覚的には、5000m走ったら14分30“をきれるくらいには戻ってたのかなと思います。そしていよいよ11月からはマラソンに向けた本格的な練習をやっていきます。

11月練習内容

2日(火)75'jog ave.4'09" 18.2km
6日(土)90'jog ave.4'33" 19.7km
7日(日)120’jog ave.4’23” 27.4km
9日(火)90’jog ave.4’20” 20.7km
10日(水) 150’jog ave.4’19” 34.8km
12日(金) 90‘jog ave.4’26” 20.3km
13日(土) 120’jog ave.3’48” 31.6km
14日(日) 105’jog ave.4’34” 22.5km
16日(火) 150’jog ave.3’55” 38.2km
18日(木) 100’jog ave.4’50” 20.8km
20日(土) 70’jog ave.3’57” 17.7km
21日(日) 95’jog ave.3’45” 25.3km
22日(月) 60’jog ave.3’40” 16.3km
23日(火) 120’jog ave.4’09” 28.9km
24日(水) 60’jog ave.3’30” 16.6km
26日(金) 150’jog ave.3’44” 40.1km
27日(土) 90’jog ave.4’41” 19.1km
28日(日) 60’jog ave.3’20” 17km
29日(月) 105’jog ave.4’47” 22km

11月走行距離”625km”

11月はロングジョグ中心のメニューを行いました。この1ヶ月はスピードを上げた練習は一回もやらず、流しも一切入れませんでした。意識したことはとにかく一回で走る時間を長くすることです。体調が悪い時、疲れが溜まってる時は迷わずレストにしました。なるべくフレッシュな状態でいいリズムでジョグすることを考えました。不思議なもので最初は120‘jogでも長く感じ、後半エネルギー切れになっていましたが、回数を重ねて150‘jogを入れるようになると120‘jogでも物足りなく感じていました。ここまでくると90‘jogが落としのジョグになります。そしてこの月に一番大切にしていた練習が、後半あたりから入れ始めた60‘のテンポの良いジョグです。個人的にこれはかなり良かったと思います。これをロングジョグとロングジョグの間に入れるようにしました。ロングジョグでスタミナがついてくると速いペースのジョグが心地良く感じるようになります。28日には3‘20“/kmで60‘jogをしましたが、これは頑張ってペースを上げたわけではなく、心地良いリズムで走った結果このペースになりました。速いペースでもこれならいくらでも押していける。そんな感覚がありました。スタミナがついていない時に同じように軽快に走り出してもどんどん呼吸が上がって途中できつくなってしまいます。この時期は走れば走るほど力が漲ってくるような感覚がありました。また、このテンポの良いジョグを入れることで、同じ努力感で走ってもロングジョグのペースが自然と上がっていきました。11月は調子が一気に上がり良いイメージで終えることができました。そして初マラソンを控えた12月に入ります。

12月練習内容

1日(水)  120’jog ave.3’48” 31.5km
2日(木)  400m×5(65”) r.100j
5日(日)  奥多摩駅伝 8.4km ave.2’59” 区間賞
6日(月)  120’jog ave.4’12” 28.5km
8日(水)  30km走 ave.3’17” 
10日(金) 120'jog ave.4'26" 27km
13日(日) 110'jog ave.3'55" 35.7km
14日(月) 60'jog ave.3'19" 18km
15日(火) 35km走 ave.3'18"
20日(日) 60'jog ave.3'24" 17.1km
21日(月) 60'jog ave.3'44" 16km
22日(火) 16km走 ave.3'09"
25日(金) 120'jog ave.3'56" 30km
29日(火) BEYOND 2時間18分06秒

12月5日は、上田監督からの誘いがあり奥多摩駅伝に参加しました。登り基調のコースでしたが、3‘00/kmを切るペースで走れたのは収穫でした。しかし、スピード練習をやっていなかったこともあり、追い込みきれずに終わってしまいました。インターバルを入れてればこの距離でももっと走れたのかなと思います。
12月は、ロングジョグを継続しつつ、30km走・35km走を一本ずつ入れました。この時期は、箱根駅伝を走った時りも自分的に調子が上がっている感覚がありました。この2本の距離走も、距離的には長くてきつかったもののペースはジョグ感覚で走ることができました。距離走はどちらかというと、ペースを上げすぎないことを意識しました。その距離走一本をうまく走れてもそこで追い込みすぎて次の練習に繋がらないと意味がないので、練習を点ではなく線で考えて行いました。
BEYONDの位置付けとしては、練習の一環としてマラソンの距離を経験しておくことで、2時間20分を一つ目安にしました。2月に向けて走行距離をあまり落としたくなかったので4日前に120‘Jogも入れ、調整はしないで臨みました。

12月走行距離"607km"

BEYOND2021

“2時間18分08秒”
(16’23”-16’39”-16’21”-16’19”-16’14”-16’15-16’06”-16’28”-7’18”)

結果とラップはこんな感じでした。走った感想としては、35kmまでは正直マラソンなんてこんなもんかって思ってました。しかし、35km以降エネルギー切れで身体に力が入らなくなり、呼吸も荒れ始め、失速してしまいました。こんなに1kmが長く感じたのは初めてです。
ただ、ペース的にはかなり余裕があり、後半の失速さえ対策できれば2時間15分はきれるイメージを持つことができました。
結果的にここで足を痛めてしまい、2月の別府大分毎日マラソンは欠場することになりましたが、参考までに残り1ヶ月どういう練習プランで行こうと考えていたか、記そうと思います。
まず、BEYONDを走ってみて距離走はそんなに重要ではないのかなと感じました。35km走をやっても2時間弱で終わってしまします。これだとマラソンの後半にいきてこないと感じました。もちろん効果がないわけではないと思いますが、それ以上に負荷が大きいので費用対効果が低いと感じます。マラソン35km以降のきつさは、150‘jogのラスト20’のきつさに似ていました。なのでゆっくりでも良いから150‘〜180‘のジョグをやり身体を動かし続ける練習をしようと思いました。プラスで速いペースで押していけるように12km〜16kmを3‘05“〜10“前後で押していく練習を入れていく予定でした。BEYONDでは、3‘15“/kmほどでしたが2時間15分を切るためには1kmあたり4秒〜5秒上げないと行けません。そのために速めのペース走を入れることで、そのペースの余裕度を上げる必要があります。
ロングジョグを2・3本、ペース走を2・3本入れて本番を迎えるというのが自分の中でのプランでした。
最終的に走れてないので偉そうなことは言えませんが、良い線までいってたんじゃないかと思います。
またいつかマラソンはリベンジしたいと思います。

最後に

ここまで読んでくださった皆さんありがとうございました。
このマラソン練習は、今までの自分の経験と本などで勉強した知識をもとにメニューを作成しました。
8月から練習を再開し、段階を踏んで上手く調子を上げていくことができたと感じます。
反省点は、練習のバランスを見るとVO2maxのインターバルが少なかったように感じます。10月の終わりあたりに少しでも入れて置いた方がもう少しいい状態に持っていけたのかなと思います。
それでも、自分で考えて一人で練習してきた中でここまでしっかり走れるようになったのはこれからに凄く自信になりました。
ここまで陸上をやってきて、どうすれば自分の調子があがってくるかがわかるようになってきました。しかし、経験だけだとそれを言語化することが出来ません。
その練習はどんな効果があってどういう風に練習を組み立てればその人のパフォーマンスを最大限に高めることが出来るのか。そこをしっかりと勉強していきたいと思います。
そして、自分の経験を言語化して若い世代に伝えていきたいと思います。
いずれは指導者として活躍していきたいです。
まずはその一歩として初マラソンに向けた練習内容をまとめてみました。
少しでも誰かの役に立てたら幸いです。











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