弧度法のはなし

角度を一回転を360とする「度」で表すことは馴染みがあるけど,「ラジアン」がよくわからないという人は多いと思います。
しかし,考えてみると一回転を100分割してもいいわけですが,なぜ360かというとよくわかりません。360は2,3,4,5,6などで割りきれる数であるからかもしれませんが,メソポタミアで一年を360日だとしていたからという話もあります。まあ,とにかく恣意的なものです。

 ではそのような恣意的な要素を取り除いて角度をどう計ったらよいのでしょうか?

角度とその角度に対応する弧の長さは比例する

ので,弧の長さは半径にもよるので弧を半径で割れば円の半径によりません。つまり

半径1の円に対し角度の大きさをその角度に対応する弧の長さで計る

ということです。これを弧度法といい,単位として「ラジアン」をつけます。これなら一周を何分割すればよいかという恣意的な要素はなくなります。しかし一回転は整数にはなりません。整数どころか2πという分数でも表せない数になってしまいます。

しかし,離れたモノを見ているときにモノまでの距離とモノの幅がわかっていればこのラジアンで計った画角は大体

画角≒ものの幅÷距離

です。これは距離が遠ければモノの幅と画角に相当する弧がほとんど一致することによります。ちなみに軍事関係でミリラジアンをミル(ドイツではシュトルヒ)といい,照準器にミル単位のメモリやマークをつけて距離を測ります。例えば,照準器内で戦車が3ミルであり,その戦車は幅が3mだったとします。すると
3×10-(-3)=3÷距離
ですから距離は1000mです。
(ガールズ&パンツァーで砲手の五十鈴華さんが「○○シュトルヒだから距離△△で…」というように言っている場面があります。)
この式は3DCGにおける画角の目安になったりします。

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