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「時々の初心忘るべからず」

2021年10月22日に29歳の誕生日を迎えました!2014年6月10日に起業したときは21歳。20代のほとんどをアイデミーという会社と一緒に過ごせたことを幸せに思い、軒並みですが振り返るとあっという間の8年間でした。

21歳に起業をした時は名実ともに「学生起業家」でした。当時大学3年生。大学を休学し事業に挑戦しましたがうまくいかず、再び復学し、25歳のころにアイデミーを立ち上げ、27歳で大学院を中退しました。29歳になり、「若手起業家」は許されるかもしれませんが、「学生起業家」を名乗るにはもう歳を重ね過ぎている気がしています。21歳の頃に描いていた「29歳の像」と「いまの自分の姿」に大きなギャップがあるように感じて、一抹の寂しさを感じることもあります。

そんな時、世阿弥の「時々の初心忘るべからず」という格言に触れました。もちろん、「初心忘るべからず」は存じ上げていましたが、「時々の」という枕詞は知らず。この格言の意味は、以下の通りです。

世阿弥は、風姿花伝を始めとして、度々「初心」について述べていますが、晩年60歳を過ぎた頃に書かれた『花鏡』の中で、まとまった考えを述べています。その中で、世阿弥は「第一に『ぜひ初心忘るべからず』、第二に『時々の初心忘るべからず』。第三に『老後の初心忘るべからず』」の、3つの「初心」について語っています。

(中略)

「時々の初心忘るべからず」
歳とともに、その時々に積み重ねていくものを、「時々の初心」という。若い頃から、最盛期を経て、老年に至るまで、その時々にあった演じ方をすることが大切だ。その時々の演技をその場限りで忘れてしまっては、次に演ずる時に、身についたものは何も残らない。過去に演じた一つひとつの風体を、全部身につけておけば、年月を経れば、全てに味がでるものだ。

「世阿弥のことば:ビジネスパーソンに捧ぐ世阿弥のことば」より

この言葉に触れて、すっと心のなかに落ちついたものがあります。今までは年齢を重ねるに連れ、知識と経験が重なることで「全知全能の存在」に近づいていく、と勘違いしていました。ただ、29歳になり、そんな考えは幻想だなぁと改めて理解できました。誰しも、誕生日を迎えた瞬間「XX歳の自分」という未経験のゾーンに突入していくのだな、と。

もしかしたら、年齢を重ねるとともにシームレスなスロープを上がりながら、少しずつ知識や経験が重なり合って成熟した人間に近づくのではなく、誕生日、転職、ライフスタイルの変化...etc といった人生の転機で、非連続な新しい自分にジャンプアップするようなものだと思います。

僕にとっては、「29歳を迎えたベンチャー企業の社長」という、初めての経験になります。たまたま先日、「27歳〜30歳くらいは、若手感も出せるし、プロフェッショナル感も出せるボーナスゾーンだよ」ともアドバイスを受けました。29歳の抱負は「若手感とプロフェッショナル感の両立」をテーマに、「時事の初心」を忘れないようにして、事業成長を目指していこうと思います!

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