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株式会社アイデミーでオンライン入社式を開催しました。

株式会社アイデミーでは、2020年4月1日に一人の新卒を迎え、またアイデミーをファーストキャリアとして選んだメンバーを歓迎するためのオンライン入社式を開催しました。(写真はZoomで撮った集合写真です。)

社長からの祝辞を10分程度述べさせて頂きました。私のほうで行ったプレゼンテーションについて、備忘録も兼ねて、以下に掲載します。

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本日アイデミーの一員として、社会人の第一歩を踏み出し、そしてアイデミーを1社目として選んで下さった皆さん、改めましてご入社おめでとうございます。

新型コロナウイルスを猛威を振るう中、入社式をオンラインで行うという前人未到の取り組みではありますが、令和初めての入社式という記念すべき日を皆さんと一緒に迎えられること、大変嬉しく思っております。

株式会社アイデミーは2020年6月10日で丸6周年で7年目がスタートいたします。私達はこの6年で急速にビジネスをグロースさせ、正社員も30名以上と今までないほど大きな組織に成長することができました。

ここに至るまでの過程で私は多くの失敗を繰り返しています。過去を振り返ると、アイデミーがスタートする直前の2017年3月に、共同創業者がアイデミーを退職することになりました。2017年4月1日、3年前の丁度本日、正社員は0人となり、石川ただ一人、ゼロから再スタートすることになったのです。

アイデミーを創業した2014年6月10日から2017年を迎えるまでの3年間、失敗続きでした。しかしこの失敗を糧に邁進できたのは私が尊敬する科学者の一人、エジソンの存在があります。エジソンの残した数々の名言は、アイデミーの企業価値観、つまりバリューにも深く影響しています。例えば、エジソンの言葉に「失敗は積極的にしていきたい。なぜならそれは成功と同じくらい貴重だからだ。失敗がなければ何が最適なのかわからないだろう」というものがあります。この失敗を失敗と捉えず一つの通過点とみなし、積極的に失敗事象を重ねていく姿勢は弊社のバリューである「全員が科学者です」、「常に挑戦しよう」に相通じています。

ちなみに、彼は失敗を繰り返しながら電話、電球、電池、蓄電機、その他諸々発明しています。こうした発明品の基礎技術は「電気」になりますが、エジソンはどのようにして電機の技術を学んだか、ご存知の方はいらっしゃいますでしょうか?実は、そこにはエジソンの「積極性」が起因しているのです。

エジソンが15歳の頃です。いつも仕事に行く為に利用していた駅で、列車を待っていたところ、子供がホームから線路に転落しました。エジソンはその子供を見つけ、考えるより先に手足が動き、列車に引かれる前に子どもを助けることができたのです。実は、その時助けた子供は、そこの駅長の子供だったのです。そのご縁で駅長と親しくなったエジソンは、駅長から電気技術について学ぶことができ、現在発明家として名を残すための礎を築いたのです。

この電気技術の会得は偶然のことであり、「子供を助ける」といった積極性があって初めて得られたチャンスだとも言えます。本来は自分の仕事では無い事象にも、積極的に当事者意識を持って、手足が動いたから生まれた、ということです。こうした積極性がなければエジソンが電気技術を学ぶ機会もなく、数多くの発明品も無いまま、生涯を終えていたかもしれません。

このエピソードで触れられている「積極的に仕事をとる」姿勢は、社会人としてより大きな活躍をするために必要な要素だと考えています。皆さんもエジソンのように仕事の多方面において積極性を持って活躍して頂きたいと思います。

さて、先ほどアイデミーのバリューについて触れましたが、もう少しバリューについて掘り下げて考えてみましょう。現在アイデミーでは、バリューの再言語化に取り組んでいます。会社が目指す方向性、皆さんが働く上で大切にしていただきたい価値観は、時代とともに表現を精緻化し、さらにアイデミーの良さをブラッシュアップしていきたいと思うからです。「アイデミーは、全員が科学者です。」といった部分を「アイデミーは、全員が科学者であり冒険者であろう。」といったように、バリューも少し活動的な言葉への改良を検討しています。

「冒険者」という言葉、これはアイデミーで初めて登場したキーワードで、アイデミーに古くから関わったメンバーであっても驚いた方もいるでしょう。今回は「冒険者」として、2024年に1万円札として登場し、来年の大河ドラマとして登場する渋沢栄一を紹介しつつ、再言語化しようと思った背景を説明したいと思います。

渋沢栄一は幕末から大正にかけて活動した実業家であり、幼い頃から論語に親しみ、官僚となって大蔵省に努めた後に、実業家として転身し、みずほ銀行や東京ガスなど、500社近い会社の立ち上げに関わった人物です。渋沢栄一が残した名言の一説に「右手に論語、左手に算盤(そろばん)」があります。彼が76歳の時に著したもので、長く生きてきた年配者として非常に重みのある言葉です。ここでいう算盤とは会社経営、論語とは道徳心、倫理観を指しており、会社立ち上げ、継続においてもっとも大切な姿勢が何であるかを説いています。それは人としてあるべき姿(道理、道徳)をまず備えつつ、ビジネスとしてしっかり会社の収益を携えるようにしなさい、つまり簡単にいうならば「道義と利益の共存」と解釈できるでしょう。

今風に解釈すると「右手に夢 左手に算盤(そろばん)」と言えるやもしれません。会社としてあるべき姿、目指ていく姿、そして今どのようにそれをビジネスとして収益化していくのか、この視点が大事であると唱えていると認識しています。

しかしこのような「夢と算盤」部分の考え方は時に不一致で共存できないこともあります。特にベンチャー企業においては多々あります。ベンチャー組織においては日々葛藤の繰り返しで、あるべき姿、夢。それに対する現状の姿、こういったギャップの姿に苦しむ毎日であると、6年間通じて感じています。

このような矛盾、ギャップはどのように解消すれば良いのでしょうか?アイデミーのような、まだまだ小さな組織で最も大切にしなければいけないことは、「当事者意識を持つこと」だと考えます。つまりは評論家にならないということです。机上の空論ではなく各々が当事者意識を持って日々改善を積み重ねていくことでより強固な組織になると確信しております。

現状を過度に批判せず、一歩、一歩、昨日よりも今日、今日よりも明日、もっといいものを作ろうという姿勢で一歩一歩夢に近づいていくことがこのベンチャー企業の働き方においては大事であると考えています。こうした思い込めて、「冒険者」という言葉を使っています。また、今後皆さんが直面するであろう葛藤を乗り越えてほしく、「科学者であり、冒険者だ。」という、一見相対するような言葉を選びました。

さて、アイデミーで当事者意識を持つこと、それはどうしたら良いでしょうか。私の考えは、先のエジソンのエピソードでも紹介した、「積極性」に尽きるのかなと思います。小学生の頃、皆さんは先生からの問いかけに、積極的に答えていたと思います。しかし、高学年、中高大と成長するにつれて手を挙げる人は少なくなり、社会人となっては非常に悲しいことに、「手を挙げる人」は皆無に等しくなります。

しかし、そのような姿勢では積極的に物事をよくしていくことはできません。仕事が増えることを懸念したり、受けたくな仕事も時にはあるかと思います。しかし、積極性は社会人としてより大きな活躍をするためには必ず必要な要素だと思います。我々のようなスタートアップでは常に有事があります。評論家だけの組織になってしまうと事態は全く好転できないままです。このような小さな組織だからこそ積極的に手を挙げて、仕事を自ら取りに行く姿勢が大事になってきます。ファーストキャリアで少数精鋭のベンチャー企業を選んだ皆さんだからこそ、是非こうした姿勢を貫いてください。

4月1日は、こうした考え方を変える良いチャンスです。日本を代表する実業家である大前研一は、「人が変わる方法は三つしかない」と紹介しています。それは「時間配分を変える」「住む場所を変える」「付き合う人を変える」です。

ちなみに、最も無意味なのが〝決意を新たにすること〟と紹介されています。決意だけでは、人は何も変わらないのです。時間配分、住む場所、付き合い人、具体的に行動を変容させて初めて、人は変われるものだと考えています。

本日4月1日、新卒の皆さんは大きく変われるチャンスではないかと思います。まず、時間。時間の使い方が社会人流に大きく変わります。次に、人。付き合う人も、大きく変わるでしょう。最後に場所。この4月から、住む場所も、変えた人が多いと思います。

すでにアイデミーにジョインしていた他のメンバーも同様です。コロナの影響もあり、通勤時間などが無くなり時間の使い方が変わっています。本日新卒のメンバーが入り、付き合い人も変化します。さらに、4月下旬にはオフィスが移転し、働く場所もリフレッシュされるのです。

本日は行動を変える良い機会であると言えます。長く話しましたが、アイデミーという数十名の小さな組織だからこそ、当事者意識と積極性を持ってこれからの社会人生活を豊に送って欲しいと願っています。アイデミーの一員として、科学者であり、冒険者である姿勢を持って、たくさんの失敗から多くのことを学んでいってください。

これからの活躍を期待しております。ご静聴、ありがとうございました。

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