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本人確認情報の呪縛

コロナの特別定額給付金申請で、紙と違って電子申請では世帯情報が表示されないから間違い多発と問題になっている。紙で出来てなんで電子で出来ないのかと疑問が出るのも当然。これ以外と根が深い。

世帯情報を入力させるという話

定額給付金の電子申請では非常に罪深い問題があった。行政がすでに知っているはずの世帯主の住所氏名とか世帯員の氏名とかをわざわざ入力させた。入力させれば間違いが起こる。紙の申請では氏名など印刷済みの申請書が送られてくるのなんで電子ではできないのだと批判がでた。

単純に実装をさぼったわけではない。非常に根が深い本人確認情報の呪縛がそこにある。

本人確認情報の呪縛

そもそも名前、住所、生年月日、性別の四情報を中心とした本人確認情報はマイナンバー制度の情報提供ネットワークには流さないことになっている。だから、マイナポータルに送って申請データに事前セットはできない。
問題はなぜ本人確認情報を情報提供ネットワークに流してはいけないのかにある。

本人確認情報を流すネットワークは住民基本台帳ネットワークということになっている。逆に、住基ネットは本人確認情報しか流さない。一方で、情報提供ネットワークは本人確認情報以外の様々な情報を流す。
本人確認情報も情報提供ネットワークで連携して、住基ネットを無くせばよさそうだがそうはなっていない。

本人確認のための本人確認情報

情報提供ネットワークでは問い合わされた側は情報を提供しなければならない。聞かれたら絶対応える。だから問い合わせる側の責任は重い。なりすましで提示されたマイナンバーを使ってはシャレにならない。

そこで、本人確認義務があり、これを確実にするインフラとしてマインバーカードが作られた。マイナンバーカードを必須にしていれば話は簡単だった。オフラインでもオンラインでもマイナンバーカードで本人であることの確認と当人のマイナンバーを入手すればよい。

ところが、マイナンバーカードを必須にしなかったので、カードなしの本人確認手順が必要になってしまう。そこで本人確認情報でマイナンバーを確認するという本末転倒な運用が出てくる。そして、これには住基ネットを使う。情報提供ネットワークを使うための手順を情報提供ネットワークでやっては意味ないと思ったのか知らないけど、住基ネットで本人確認する運用になったので住基ネットは必要不可欠となる。

結局、マイナンバーがあるのに、本人確認情報も併せて提出しないといけないとなる。

たまごが先かニワトリがさきか

結局、マイナンバーがわかればほかの情報は入手できるという大原則に真っ向から対立する本人確認情報。本人確認情報がわからないとマイナンバーがわからないのか、マイナンバーがわかれば本人確認情報が確定するのか。

ところで、定額給付金のような電子署名必須の手続きは本来どうなのか。マイナンバーカードが必須の状態になっている。ということは、本人確認情報がなくてもマイナンバーが確定するんじゃないのか。

まあ、結局これもうまくいかないんだけれど




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