小生の秘密を教えます
ある日のことです。
小生はふらふらと長良川の河川敷を歩いてました。その日の気温は40度を超え、岐阜県特有の猛暑が小生の身体中を駆け巡り体性感覚野を楽しげにくすぐりはじめ小生は身をよじりました。
なんてことのない一日になるかと思われましたが、小生はミスを犯していました。
自動販売機で買ったポカリスエットに同級生の体から採取した粉末を入れて飲み干しました。するといつものメタモルフォーゼ。小生の存在はポロポロポロポロとピーリングジェルを施した角栓のように大地から落ちていきました。
ああ、小生は......
小生はバラナシの僧侶でした。小生は貧民窟で育った売春婦でした。小生は森のエルフでした。小生はGAFAでした。
いくつもの小生です。幸せな日々を送りました。
しかし、その時間は唐突に終わりを告げました。
小生は全裸になると村に戻りました。長老は留守で、いまこそ決行のチャンスです。小生には温めていた作戦がありました。村のみんなが祀っているあの大木。あれには精霊が宿っているそうなので、精子をかけてみたいです。
村のみんなの目を盗み祭壇に向かうといつものように大木がありました。小生はそこに向かってシコシコします。あらかじめ全裸になっておいて正解でした。
しばらくして、小生が射精しそうになっていると、木陰から声がしました。
「そんなことはやめなさい」
精霊だと思います。
小生はその声を無視して射精しました。こうして小生は2児の父となりました。
森を抜けると小生は大西洋をプカプカ浮いていることに気づいたので中部国際空港に戻ってきました。久しぶりの故郷です。
岐阜県は今日も穏やかです。
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