ヨネーヅ研究所の楽しい仲間たち

前回のあらすじ ドリョクミライファクトリーのヨネーヅ工場長はIQが1億を超える天才だ!しかし、ヨネーヅは天才すぎてひらめくと脳の電気信号で感電してしまう!ヨネーヅは日々、自らの体質と戦いながら発明品を生み出していた…

はるか未来…

「我がドリョクミライインダストリーは30年前、ヨネーヅ・ケン・シー博士によって創業されたドリョクミライファクトリーが前身となり、今や世界の軍事産業シェアの7割を占めるようになりました。さて、それでは本日のゲストはカリフォルニアのヨネーヅ研究所から来ていただきました、ヨネーヅ博士です!」
 拍手喝采とともに現れたのは、かつてのヨネーヅからは想像もつかないほど痩せおとろた、脳だった。
「なんじゃと、アレがわしか!?」
 ヨネーヅは驚愕した。
 2036年。この日発表されたテクノロジーは世界を破滅に導き、この星の全てを絶滅させる。マッドサイエンティスト、ヨネーヅ博士の発明はそれほどまでに危険な代物だった。
 だからそうなる前に、わしは自分自身を止めねばならん。2006年のヨネーヅは発明品「歴史修正ペニスケース」をかまえた。しかし、ことは上手く運ばなかった。
「もう限界だ!」時間が過去へと引き伸ばされていく。作戦は失敗した。

「工場長!どうなりましたか?」
助手くんはレモンを差し出した。
ヨネーヅの顔は暗い。
「ワシの発明が世界を滅ぼすんじゃ。もう後がないんじゃ」
「工場長……」
「何度繰り返しても、結果は変わらん。ワシはマッドサイエンティストとして、死神として、記憶されるじゃろう。地球儀は、真っ黒じゃ」
「工場長、元気を出してください!今まで、なんだって工場長の閃きで乗り越えてきたじゃないですか!」
「助手くん……」
「従業員一同、ヨネーヅ工場長についていきますよ!」
「ミスターヨネーヅ、あんたほどの天才、他にいないんだ!俺はあんたを信じてるぞ!」
「そうだそうだ!」
「ちょっとのキックバックくらい、なんてことねえぜ!」
「工場長、僕たちは乗り越えてきました。恐竜を蘇らせてしまった時も、人間とチンパンジーのキメラを作ってしまった時も、殺人アンドロイドを街に逃がしてしまった時も、核兵器を作ったのがバレそうになった時も、武漢でコロナウイルスをばらまいてしまった時も、全部なんとかなりました。今回だって、きっと大丈夫です」
「博士!博士の作ってくれた発明品、俺達大好きだぜ!」
近所のわんぱく少年団もかけつけて、熱射溶殺パルスガンを振り回して声援を浴びせる。
「ほら、レモンを食べてください。パプリカもありますよ!」
ヨネーヅはレモンをかじった。
ビリビリビリ!!!
工場長!また何か思いついたのですか!?
ヨネーヅのニューロンが発火し、感電した。まるで打ち上げ花火のようだった。救護班が駆けつけてきた。
「ペニスケースをアナルに挿入すれば…!」
「かっこいい!!」
「工場長!!」

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