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転職からの振り返りと目指す法務の姿

こんにちは。ドクターメイト株式会社 法務担当のY.Akihideといいます。
ドクターメイトには今年の2月に転職し、あっという間に8ヶ月が経過していました。

今回、会社の企画で秋のnote運動会2023を実施しています。
noteの投稿を約1年半さぼっていた反省と、転職〜今日までの振り返り自分が目指す法務の姿を社内外問わず知ってもらう良い機会と思ったので、企画に参加しました。
現在、ひとり法務でもあるので、同じくひとり法務で奮闘されている方や、法務の仕事に興味がある方にも見ていただければ嬉しいです。

徒然なるままに書いているので、気楽に読んでやってください。


①なぜドクターメイトに転職したのか

そもそもドクターメイトとの出会いは、某転職サイトを通じてもらったスカウトメッセージでした。
メッセージをいただいた当時、初めて転職した会社で法務として働いて2年半ほど経過していました。
仕事内容には不満はない一方、
・そこそこ大きい会社のためスピード感がないこと
・事業は子会社、コーポレート業務は親会社で行う体制を取っていたため、事業部門との距離が遠い(入社時点から原則リモートワークだったことも影響)
・仕事が属人化してしまっている
などの理由で仕事のやりにくさを感じていました。

スカウトいただいた時点では正直、「まだ転職はなぁ…面倒だしなぁ…」と転職には後ろ向きでした。ですが、カジュアル面談で話を聞いたり、Wantedlyの記事(確かこの記事)を読んだりしているうちに、本気で世の中を変えようとしているかっこいい人たちが一丸となって事業を大きくしようとしているこの会社でなら、今よりも面白く働けそうと思うようになりました。

また、一人目の法務担当ということで、法務体制の構築や法務周りの業務にも携われるなど新しいことに取り組めるので、仕事の幅が広がることも魅力的でした。

このままで良いのかと迷っていたタイミングで声をかけてもらったこともあり、何か意味があるはずだと半自己暗示をかけ、選考に応募。面接を経て現在に至ります。

②ドクターメイトの法務としての仕事

一般的な仕事内容については以下の記事を参考にしてもらいつつ、ここではドクターメイトの法務として今何をしているのかを書きたいと思います。

契約書レビュー

法務の仕事として真っ先に思い浮かばれるやつです。
契約書の内容がwin-winであれば良いのですが、ほぼ確実に、契約当事者の一方に有利な内容になっています。
なので、どこが相手に有利になっているのか、ドクターメイトにとってどう不利に働くのか、ドクターメイトが契約で実現したいことができるのかを確認し、できる限りwin-winな状態にもっていくための修正提案を行なっています。
何のための契約なのか(主に実現したいこと)、相手に有利な条件をどこまでなら譲れるのかなど、契約書を眺めているだけではわからないこともあるので、依頼者とコミュニケーションを取りながらレビューすることを心がけています。

法務相談

※契約書レビューも言ってしまえば法務相談に入るのですが、ここでは契約書レビュー以外の法務への相談と定義します(だとしてもまだ幅広い)。

法務担当して、一番手腕が問われるのが法務相談だと思います。
一言で言えば、法務相談での法務の役割は「取れるリスクを見定める」ことかなと思っています。
何の法令の問題なのか、リスクは何かを指摘してあげることは大切なのですが、指摘だけだと「じゃあどうすればいいの?」と相談者も困ってしまうし、事業も進まなくなってしまいます。
リスクを指摘するだけでなく、どうやったらリスクを下げつつ(取れるリスクだけ取りつつ)、やりたいことを実現できるのかを提案することまでが法務の仕事だと考えます(もちろん、明らかに違反していたり、会社の状況から取れるリスクではない場合は、きちんと止めます。)。
法務は直接利益を上げる部門ではないですが、世の中のルールに則って、適切な利益を上げられるように道を創ることで間接的に利益に貢献していると感じています。

法務担当との関係性にもよりますが、法務への相談は心理的ハードルが比較的高いようにも感じています。なので、少しでも心理的ハードルを下げてもらうべく、社内では以下のように伝えています。

「何を」「どのタイミングで」「どんな内容で」相談したらいいの?
「何を」
┗どんなことでも大丈夫です!相談していただけるだけで感謝です

「どのタイミングで」
┗基本的には契約を締結する前や、サービスを開始する前に相談していただきたいです

「どんな内容で」
┗「法的に問題ある?」「何かの法律に引っかかる?」のように漠然としていて大丈夫です!それを特定し、整理するのが法務の仕事です

勉強会・コンテンツ配信

ドクターメイトに入社した時から「必ずやるぞ」と心に決めていたことがコンテンツ配信と勉強会です。ビジネスを行う上で、法律は避けては通れないものであるため、少しでも法律に触れる機会を作りたいと考えていました。

コンテンツ配信は毎月1回、テーマを決めて配信しています。10月は個人情報保護法をテーマにコンテンツを作成しました。
ただ、若干配信して満足気味になってしまっているので、配信後にミニテストみたいな形を実施して、知識として身につけてもらうような工夫をしていければと思っています。

勉強会は、7月初旬から隔週で1回30分で実施。
これまで「契約と何か」から始まり、「個人情報保護法」、そして「営業秘密」をテーマに開催しました。
最初は一方的に説明するだけの会になっていましたが、参加者から「双方向のやりとりがあっても良いかも」と意見をもらい、説明の合間にクイズを入れたりと、試行錯誤しながら実施しています。
準備など大変な面はありますが、自分の復習にもなるので楽しみながらやっています。

その他

ドクターメイトに入って初めて対応している業務もいくつかあります。
・法人登記対応(基本は顧問弁護士におまかせ)
・取締役会対応(朝早い)
・株主総会対応(来期に対応予定) ..etc.

③「ひとり」だけど「孤独」じゃない

最初にも書きましたが、ドクターメイトは社内の法務担当は自分ひとりのため、いわゆる「ひとり法務」の状態です。
ただ、幸いにも創業期から関わりのある川﨑さんが業務に携わってくれているのと、顧問弁護士にもすぐに相談でき、困ったことがあれば専門家にいつでも頼れる環境があるので、他のひとり法務よりは恵まれた環境にあると感じています。
また、普段の業務では他部署の社員と関わる機会が多いので、孤独に仕事を進める感じはありません。

社内だけでなく、外部にも交流の機会を持つことを心がけています。「法務互助会」という企業法務のコミュニティや「Re:Change」というクラウドサインユーザーのコミュニティに参加して、企業法務としての仕事の仕方やちょっとした悩みの共有・相談など、同じ仕事をしている人たちの経験や知識に助けられています。

④目指す法務の姿

ずばり「中道の法務」を目指しています。
「中道」は仏教で説かれている思想で「相対する両極端のどちらにも執着せず偏らない見識・行動」のことをいいます。

よく言われる「攻めの法務」と「守りの法務」とも通じますが、この2つを合わせて説明できる言葉が「中道」だと考えています。

「攻め」の法務
→企業活動の目的遂行(増収や増益)のため、法的な手段・技術を使った有用な戦術・戦略で、企業活動を後押しすること

「守り」の法務
→社外や社内の法的な衝突を未然に防ぎ、または発生した紛争を解決するために適切な処置を行うことで、企業活動のリスクヘッジをすること

出典:「企業法務とは何をする仕事?法務部の役割や仕事内容を分かりやすく解説!

企業である以上、利益を追求することは当然のこと。ただ、ルールに違反して、周りに迷惑をかけてでも利益を追い求めることはあってはならないことです。
会社が間違った方向に進まないために、「企業の一員として中にいながら迎合せず、客観的に外側から見ていながら中にいる」そんな法務でありたいと考えています。

実践はかなり難しいですが、ドクターメイトを今以上に大きく、そして良い企業にするため、これからも挑戦していきます!

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