クリエイティブリーダーシップ特論:株式会社インフォバーン取締役井登友一さん

補足:
武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコースの授業をまとめているnoteです。
クリエイティブリーダシップ特論の授業において株式会社インフォバーン取締役/京都支社長/IDL部門 部門長井登友一さんからお話を伺い、記事にしています。

経験をデザインする

経験をデザインする行為はユーザ(顧客)がやりたかったり言葉にできなかったような無意識のうちに諦めていたこと経験をすくい上げ、表出化し、提供してあげることである。これは、今あるものを進化させる行為ではなく、まだないものを考える・つくることである。この連続的な価値を創るデザインは各欄的な価値を生み出し未来をつくるデザインである。今あるものをデザインするのも大事だがまだ見ぬものを作り、一定の時間が経ることで一般化し、イノベーションと言わるようになることは非常に大切である。
これにより、顧客からの依頼も潜在的なニーズ理解のためのデザインリサーチ、ユーザー中心発送で既存製品を改良、Webサイトやアプリなどのインターフェース/UXデザインから、今〇〇と呼ばれているものの未来の姿をデザインする、企業内企業か教育とサービスデザイン支援、革新的な人事制度と評価指標のデザイン、自社にとってのデザインプリンシプリを定義、可視化するといった方向に変わってきた。

デザインとは「愛」である(ベルガンティ)

ベルガンティいわく、母性愛や父性愛のデザインであると言う。デザインとは贈り物であり、何を贈るべきか考え、相手に本当に愛して貰うものを送る。これは愛することができる意味の提案でもある。
元々デザインは「Design=De+Signare」であり、「何かを作り、それにサインを記すことで見分けをつけ、それに意義を与え、他のものや所有者、ユーザー、更には紙との関係を明確に示すという意味(ベルガンティ)」である。これからのイノベーションのためにやることとして、新たな意味を見出し、解釈し、形を与えることがデザインであり、これから私達はデザインの果たす役割として未来の当たり前を作ることが重要だと語る。

終わりに

ことウェブやアプリのデザインにおいてはユーザーを愛し、その人に向けてひたむきにつくることが失われがちである。ビジネス上、売上が上がっていればいいという観点からそれでもいいかもしれないが、必ずしもそうとは言い切れない。今はプロダクトは企業のためにある。しかし、実際にそのプロダクトを使いお金を払ってくれるのはユーザーである。必要な機能を最低限で提供する形はまさに格安ビジネスホテルを提供するような形である。
特別なユーザーには星野リゾートを提供するような企業があってもいいかもしれない。

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