クリエイティブリーダーシップ特論:水口洋二

補足:
武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコースの授業をまとめているnoteです。
クリエイティブリーダシップ特論の授業においてサントリーコミュニケーションズ デザイン部長の水口さんから講演を伺い、記事にしています。

基本的な本能

緊張と緩和。例えば「いない、いない、ばぁ」は緊張と緩和であり、面白いことをする場合ついつい「ばぁ」の部分を考えてしまいがちだが、「いない、いない」の部分も非常に重要な要素である。これはサービスやデザインを考える上でも同じであり、不安な状態を一気に解決するときにも同じような考えができる。
緊張と緩和と言われると僕が真っ先に思い浮かんだのは、「サウナ」である。サウナで身体を熱している状態はまごうことなき緊張であり、そこから水風呂に入り、外気浴している時間は緩和なのである。これを置き換えると、緊張とは頑張りであり、緩和とはご褒美である。ご褒美のことばかり考えていてはだめなのだ。大変なことや辛いこと、それを乗り越えた先のご褒美だからこそ特別になる。腹は空かせた方が飯は美味い。そんなことあたり前のことである。でもそれがシンプルに重要なのだと思う。

憧れ、親しみ

サントリーのクラフトコーヒーのサービスであるTouch and Go。クラフトと利便性はトレードオフの関係にある。しかし、落とし所を探すことはできる。何も考えずにあきらめることはただの思考停止。豆の話をユーザーに押し付けるのはブランドの傲慢であり、自分たちのほうがコーヒーをしっているぜというのは間違い。ユーザーが自分のものがたりを紡げるようにしてあげればよい。
こと論理的なことと感性的なことは相反する場合が多い。そして、どちらかに寄せることが多々ある。それは論理的に考えることが得意な人は論理的な結果が出るし、感性的に考えることが得意な人は完成的な結果がでる。両立するのが難しいのである。ただし、だからこそ僕はデザイナーでありながらビジネスやエンジニアとの橋渡しを行うために、感性で考えて論理に落として説明をするというようなスタイルでやっている。それでも突き抜けた感性を表現することは難しいときがあり、その際には単純に絵力でなぐるようなコミュニケーションになってしまうこともある。

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