マガジンのカバー画像

その他の不思議な小説

70
分類できなかった話。
運営しているクリエイター

#職業

【短編】 任務遂行者と監視役

 自分の正体がバレた時、必ず見るように言われていた封筒を開けるとこう書いてあった。 「この手紙を読んでいるということは、あなたは取り返しのつかないミスを犯したということですが、いまさら後悔しても仕方ありません。まずあなたは、重大なミスにより現行の任務が終了したことを自覚し、すみやかに次のプログラムへ移行する必要があります。また、現行任務の後処理等は、当局の専門班によって行われるため、あなたはこれ以上本件に関わることは許されません……」  私はこの後、更生施設に連れて行かれ、

【短編】 火星小説

 女は僕が帰ってくると、ご飯にしますか? お風呂にしますか? それとも地球を破壊しますか? と質問する。それで僕がご飯にしますと言うと、女は不満そうな顔で、あなたが全部悪いんですからねと呟きながら地球を破壊した。僕と女が火星へ行くことになった経緯はそんなところなのだが、問題なのは、これから僕と女は火星でどう生きていけばいいのかということだった。そこで火星の人に相談したところ、地球出身なら小説で食べていけばいいとアドバイスをしてくれた。  火星では誰でも小説を書いており、地球