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一週間ぶりに外出すると、街の人たちがみんな手に変な棒を持っていた。 私は山の中に住んでいて、週に一回車で買い出しに行くのだけど、一週間前はとく変った様子はなかったはずだ。 「あなたは、そちら側の人間なの?」 スーパーの中で声に振り向くと、中年の女性が私を睨んでいた。 「棒を持っていないということは、攻撃されても仕方ないということなのよ」 意味が全く分かりませんし、私はただ買い物に来ただけで……。 「あなたには敵意がなさそうだから、あたしが予備に持っていた棒をあげます。
空想少女は、ポテトチップスを食べていた。 でも、割れたポテトチップスの尖った部分が歯茎に刺さって、血の味がしてきた。 「普通はポテチが歯茎に刺さるなんてありえないでしょ? でも、すごく面白いからアイデア採用!」 パソコン画面の前でそう興奮気味に喋っているのは、空想少女の小説の作者。 でも当の少女は、口の中の痛みや、勝手に空想でいろいろやらされる馬鹿らしさにうんざりしていた。 「少女は、出血した口の中を携帯で撮影し、ポテチの会社に苦情のメールを送った。すると一週間後、そ