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ゴーヤを縦に切ったら、中から女の子が出てきた。 女の子の体は包丁で真っ二つに切れてしまい、私は悪いことをしたなと後悔した。 でも、ゴーヤ料理が出来上がる頃には女の子の体はくっついており、のんきにあくびをしている。 「おはよう、あたしはゴーヤ姫」と女の子は言った。「体を切られるときは結構痛かったけど、ゴーヤ姫というのは大抵、そうやって産まれてくるのよね」 私は何と言って謝ったらいいか分からなかったので、とりあえず、作ったばかりのゴーヤ料理を彼女に差し出した。 「もぐもぐ
『何か変なものを作って世界を変えてみよう 世界大会』というものに出場したら、なぜか優勝して、一兆円の賞金を貰ってしまった。 優勝カップを抱えながら会場を去ろうとすると、メディアの記者たちがわらわら集まってくる。 「数々の強豪を抑えて、今、優勝を手にしたご気分は?」 変な気分です。 「あなたの作った変なもので、世界は本当に変わると思いますか?」 そんなの、私に分かるはずがありません。 「優勝賞金である一兆円の使い道は?」 自宅のアパートに帰って一息つき、缶ビールを飲み