【短編】 ベイビーボム世代
かつて、赤ちゃんが爆弾として戦争に利用された時代があった。
それはベイビーボムと呼ばれ、爆撃機から投下されると爆発するのだが、不思議と赤ちゃんが死ぬことはない。
地上に残った赤ちゃんは後で回収されるが、戦火で死んだりして、いつも半分ほどの赤ちゃんは返ってこなかったという。
「この世界大戦において、赤ん坊は最重要の戦力であり、その数によつて戦争の趨勢が決まるです」
当時、街頭演説をした政治家の言葉だ。
「赤ん坊は爆発しても死にませぬ。しかも、我が子が爆弾になつて、国家の