【短編】 戦争と幼馴染と終わらない旅
ペーターには住む家がありません。
戦争で村がすべて焼かれてしまったからです。
お父さんとお母さん、そして妹のビアンカも炎に焼かれて死にました。
ペーターは、大きな空き樽の中でいつものように昼寝をしていたから助かったのです。
妹のビアンカも一緒に樽へ入ろうとしたのですが、何となく鬱陶しくて妹を追い出してしまったことを、ペーターはひどく後悔しました。
「ようペーター、お前も生きていたか」
涙をぬぐいながら振り向くと、幼馴染のオスカーと、クリスティーナが立っています。