【短編】 悪魔と友達になるということ
悪魔に、友達になって欲しいと言われた。
その悪魔は、頭に角の生えたあどけない子どもの姿をしており、悪魔っぽい黒マントを風になびかせている。
「角やマントは、ただの飾りだから」と悪魔は言って、角を手で引っ込めてみせた。「一緒に歩いてても普通の子どもと変わらないし、あなたに迷惑をかけることはないと思うの」
私は胸に手を当てて言葉を探した。
「悪魔に魂を売るっていう言葉があるのだけど、君と友達になってしまったら、私は人間として堕落してしまうのではないか?」
「あなたが堕落する