プロでも使えるMIXテクニック 実際のMixの流れ編 Vol.1:曲が書けた!さあMIXだ!のその前に

例年ならこの時期は既に夏の案件が始まってたりするんだけど、今年は別の意味で本当に急遽対応することが多くてかなり忙しい。。

リモートワークや遠隔ディレクションなり人に合わないで以下にペースとクォリティーを変えないかってが命題だったんだけど、いざ差し迫るとなんとかなるもんですね〜。一つのスタイルが確立したらもうもはや通常営業です。元々極力外のスタジオとか行かないタイプなので、 あんまり変わらないともいえる。打ち合わせもZOOM等で慣れたら時間の節約の効果がすごくて、同じ量に対して余裕が出来てます。もちろんTPOによるけど、出かける準備や移動時間ってかなり無駄よね。2~30分で終わる内容も会わないとダメって人も多かったんだけど、みんなこういうスタイルに慣れてきたようで助かる。

さて、なんか知らないウチに毎日のView数の桁が変わっててびっくりしてたりもする。誰とも名乗ってなければ、周りの人にも内緒で書いてる胡散臭いこのシリーズも多少は人の時間つぶしにはなってるんだね(笑)

この手のって100読んでそのうちの5でも実際に身になったことがあれば良いほうかなと。ちなみに俺はレコーディングエンジ二アを目指したことがなくて、凝り性のクリエイターの結果論がいつの間に派生仕事になってしまった感じ。好きならとことん拘ってると、それが違うとこで芽が出るかもしれないってことなのかな。

本題に入ります。

どういう流れで作業をするのかがこの先のテーマなんだけど、人それぞれといえばそれぞれだから好き勝手にやればいいけど、3桁以上の作品に関わってきた結果、無駄が省けてるはずなので多少は役に立つと信じたい。

Mixの前にアレンジの話になるけど、ここがめちゃくちゃ重要。ここがダメな曲はMixが上手くてもそんなに格好良くはならない。音はいいけど記憶に残んない曲の典型例よね。

 

よく人に説明するときに使うのが「9マスの意識」(MIXはここから発展して27マス意識する。これは次回)簡単にいうと、Low、Middle、Highの周波数の縦列3個とそれぞれにPANのLとRがあるってこと。今となってはこの27マスとか言う人増えたけど、このブログを初めて書いた頃には誰もいなくて僕は自分で編み出していろんなとこで言ってたので、我こそが先駆者だと思ってる(笑)

それぞれの位置に音を散りばめることを意識するアレンジを作るのが重要。

「意識してます」っていう人ほど同じ帯域に音が多すぎる傾向にあって、さらにMIXでそれの全部を聴こえるようにして欲しいってことを簡単に言うよね。まあ、やるけど限界はあるよ。。

 

ギター2本にリードシンセ、ピアノ、ドアラム以外にもリズムのシーケンスがとかが入る曲だとしよう。それぞれのフレーズはカッコいいけど、合わせるとぐしゃぐしゃっていうのがとってもアマチュア臭い。プロでもなりたては凄い多い。

 

邦楽RockだとUverworldとか出てきた以降一気に同期バンドが増えたし、Las vegas辺りでアウトギリまで来て、Djent以降でみんな楽器の腕が上がってスッキリした感じなのかな。他のジャンルに比べてまあ音が多い。この辺が好きで真似をしたいなら、逆に良く聴いて見よう。同じ瞬間にはそんなに音が動いてないはず。ピアノやシンセが音階を弾くときは、ギターは白玉やバッキング、逆にギターのフレーズがカッコいいなら、シンセやピアノはバッキングに徹する。ドラムがカッコイ時は全員でシンプルに縦列を揃える or コード楽器は白玉とか、アレンジ上の音の種類は多いが、同じタイミングは意外と整理されてるはず。

 つまりそのタイミングで聴かせたい音は何かを時間軸で考えてあるし、同じ帯域に似た音が居ないから、歌への余白もしっかり有る。

今や大人気のワンオクもTAKAの歌が突き抜けてる分、TORUは裏方に徹してる感じが絶妙。あんまりギターが上手くないってのもあるけど、もはや関係ないよね。バンドのギタリストとして成立してる。オーバーアレンジでLIVEがしょぼくなるのを避けてる感じもあると思うけど。それこそLUNA SEAなんてそれぞれのやってることはとことんシンプルだし、一人で演っても寂しくなる感じだけど、アンサンブルになるとまあ凄いよね。あれは教科書的極みのひとつだと思う。

 

で、本題の本題。プロとアマのアレンジの一番の違いだと思ってるのがここ!

「圧倒的な歌=声のアレンジ力不足」ここに尽きる。

DAWの進化でみんなそれなりのオケは作れちゃし、プロ以上のレベルのアマもいっぱいる。俺なんかより楽器が上手い人は万人単位で居るんじゃないかな。オケはとことん拘ってるのに歌のアレンジがしょぼすぎるんだよね。入れても3度ハモりやみんなでコーラスとかくらい。そのハモリワンパターンだったり数が少なかったりする。中にはハモリはメロダインで作って下さいみたいな人も居るけど、そんな奴は歌で仕事しようなんて甘いよね。じゃあ、おまえは何する人なの?ってね。

全部持ってる機材でOKだから、物のせいにしないで自分の能力不足を鍛えるのが大事だってタイミングが必ずくる。予算とかの言い訳をしないように音質の話では無いことを先に言っておきます。

声のアレンジのコダワリが凄いと言えば、やっぱりR&B(まあ、今はなんでもEDMかな)だと思う。 所々の一瞬しかない声のパーツが散りばめられている。オケがシンプルなループっぽいのも歌とリズムを一番重要な要素にしてるからだよね。メロディーもオケのリズムと噛み合ってることが当たり前なんだけど、ここも言われてるほど意識されて無い気がするのは国民性なのかな。歌ってる人はオケのリズムのテンポキープしてるだけで、絡んでる感じが薄いし、そもそも多分そうやってメロディーを考えてないんだろな〜。

メロディーを考えるコツ(自称)は、頭も中で勝手にPV、特にLIVEシーンを考えてます。歌詞を考えるときも頭の中でドラマ化する、映像化することでのぺっとしなくなるし話の辻褄があうと思うので、関わった人(特に新人)には絶対にこの話をします。

J-POPも意識してきくと、良いなって思う曲は声の入れ方は絶妙なのが多い。これは本人がとことん拘るての有るんだけどか、腕のいいボーカルディレクションができるスタッフが居るはず。言葉を選んでハモる、ウーアーをPADのように使う。

自分しか居ないなら自分でいっぱい音楽聴いて、やれるまでやってみることかな。使い古された言葉だけど「インプットが足りないとアウトプット出来ない」は正にだよね。

長男が妙に好きなので3代目のlatataのPVを良く見るのだが、シンプルに見えて実はかなり細かく声がトラックのパーツとして組み込まれてる。

最近のEDM以降の楽曲は概ねシンプルになったように聞こえてると思うんだけど、計算されて削ぎ落とされてるだけで、シンプル=簡単とか雑なわけではない。失礼ながらも、大したことないなって人のデータはこのシンプルの意味を履き違えて、手抜きにしか聞こえないんだよね。なにかの真似にしか聞こえないないのはそういう細かいとこが無いからだと思ってます。

楽器でアレンジを埋める前に声でのアレンジをとことん考えると、いかに無駄に音を重ねてたか分かる時がくるはずなんだ。曲の骨格ができたタイミングでまずは仮歌を入れよう。その後に歌に邪魔にならないようにカッコいいオケを仕上げるこれがアレンジのコツだと思ってます。


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