プロでも使えるMIXテクニック 実際のMixの流れ編 Vol.15: オートメーションの話とか。

以前にコメントにあったオートメーションについてなんですが、逆にみんな何に使ってるかの方が気になってます。

 

どっかのエンジニアの「オートメーションを描きまくる」みたいのを読んだのかな?俺も製品レビューによく出てくるエンジニアがコンプでしっかり潰して、オートメーションで全ての抑揚を自分で書きなおす。みたいなの読んだことあるけど、、、まあ有り得ないと思う。プレイヤーに嫌われそうだし。プレイヤーのダイナミクスを可能な限り維持したままレベルのコンロールを完璧にこなすのが、大前提だと思ってるからね。

 

まあ、人の事はさておきミックスにおけるオートメーションって何個かに分類できるかなと。

 

まずは誰でもやる分かりやすいオートメーションは、エフェクトのバイパスとかフェードイン、フェードアウトとかかな。

 

フェード系は置いておいて、エフェクトから行こう。その瞬間にしか書けないラジオボイスとかそういうのは、もはや波形にかけるか別トラックにしよう。同じトラックでやるにはデメリットが多い。コンプのパラメーターもオートメーションで変えるってのも最早かかり過ぎるとこの波形のボリューム触るか、別トラックにした方がいい。ちょっと古い気がする。

 

簡単にまとめると、1つの音を作るのに必ず1つのトラックでやる必要がないってこと。平歌とサビが同じ設定である必要も無ければ、一つの設定が頭から終わりまでベストとも言えないですし。

 

この点を少しだけ掘ると、なかなかいい感じに作れないってよく聞くキックがいい例で、レコーディングで取れた音のみをいじってると昨今の気持ちいいキックはなかなか作れないってことにも繋がる。ちゃんとやってるクリエイターの人はいろんな音を混ぜて作ったりしてるでしょ?

 

ミックスもそうで、なりたい音に必要な要素を揃えるにはトラックが分かれてていいと思う。素の音をデュプリケートして、そのトラックを思いっきり歪ませて、低音削って混ぜる方が、元のトラックを直接いじるよりすぐにアタックが目立ってくる。低音を出そうとEQとかエンハンサー系でやるより、キックのタイミングで低めのサイン波が鳴るようにした方が簡単に出来るかな。低音の方はちょっと古い技だけどね。今ならプリセンドでサンプルを混ぜるかな。

 

まあ、言いたい事は伝わったとしよう。昔からいてかつ今も人気があるエンジニアさんはこういう技をめちゃくちゃ持ってるんだよね。次から次にプラグインを買ったりする前に工夫でクリアしてるから、一般人より最新のプラグインとかに疎いのかなとも。

 

次に最初に否定したトラックにめっちゃ書き込む系ね。これかなりしんどいよね。自分が録りからやるならほぼやらない。というか、やらないでいいようにしか録らない。

 

そもそも、そんな感じのレコーディングだったらプレイヤーがしんどかったろうなとも思う。普段は弾けたり歌えるのにレコーディングだと難航する人は、エンジニアからの返しの問題が実は多くて、そういうとこにも腕の差が出る。一つだけ例をあげるなら歌メロより上で動く音はなるべく返さないとかね。

 

ここはモニターの音作りの話だから別の機会にするとして、嫌々でもしっかり書くのは、録りが下手な歌と弦とか管の生楽器系のソフトシンセね。この二つは音の変化に対して実際のダイナミクスが死んでるから。

 

これをどうにかするには、頭ん中にある本物の音の記憶と演奏の動きを想像しながら書きまくると、かなり良くなるから頑張るしかない。まあ正直ソフトシンセの方は打ち込む人の技量がすごい出るから、時間があるなら元データを触った方が案外楽なので、可能な限りmidiデータも貰う様にしてる。これはソフトのアンシュミの子にドライデータを貰うの同じで、こっちでなんとか出来るからなんだよね。

 

プレイに関しては、レコーディングの時点でかなり詰めるから、ミックスではなるべく直さない。全体で聞いて違和感なければ、ほぼ触らないかな。ここが神経質すぎると、なんかトータルで音も細いし苦労のわりにつまんないんだよね。触っても頭ズレと音の切側の揃えくらい。この作業は自己満が多いから、自分の作業は音楽ってことを思い出そう。

 

3つ目は、曲の流れの中でその瞬間に聞こえて欲しい音にプライオリティを付けて、ちゃんと整理するオートメーション。

 

これはめっちゃ書きます。ここが勝負どころだとも思ってるくらい。常に頭の中で映像を想像しながら、何回も聞き直してとことん詰める。大げさに言えばオーケストラの指揮者の気分かな。で、もういいかなってなって来たら一旦他人の判断に任せる。この頃になると自分では気付かない事が出てくるだよね。ウチは嫁のが元々音楽系の人なので、聞いてもらって言われた事を素直に直してみると丁度いいことになる事が多い。

 

そんな感じ。 

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