プロでも使えるMIXテクニック 実際のMixの流れ編 Vol.8:Bass編 後編 シンべ関連

またあっという間に時間が経ってしまったね。

 

いつの間にか上手いこと見つけてくれる人も増えて嬉しいもんだね。作者不明のままどこまで読んでもらえるかが、自分的なメインテーマなのでどこまで行けるかな。

 

ということで、ベース編の最後はシンべだね。アコベはね、特定のフレーズで膨らんだりするとこをマルチバンドで狙えばいいから、それよりは元音のレコーディングの方の話だね。

 

シンべを分けた理由は、シンべって何って話ところから。

 

シンセでつくったベースの音域にあるもの。つまりシンセで低音を弾いてるだけだから、これと言った定義がなく種類が多すぎるし、シンセは生楽器じゃないので、倍音の帯域を下手に触ると、音色自体ががっつり変わることが多い。

 

昨今、1音色のみでベースを担うってのも珍しい。オシレーターを2つ以上使ってれば1音色とみなさない感じで話を進める。

 

所詮シンセだからかなりの領域を簡単に埋めてしまう(カブりまくる)ので、オケの中で聴こえない部分はバッサリ切りまくる必要がある。そこで大事なのが、アレンジの時点でのシンべの作り込みなのね。

 

例えば、こんな感じの組み合わせで作ってあって欲しい。

 

①センターで低音を支える音=所謂ベースの役割

②中高域の音=エッジや音色を色付けるような役割

③サイドの低音を支える音=空間を埋める役割

 

もちろんジャンルによるけど、昨今のベースが主流のダンスミュージックなら、最低でもこれくらい。それぞれを個別にうまく処理をすることで上から下まで揃っている強いベースラインが作れる。

 

経験上、一個の音をああだこうだ処理するよりもこっちのほうが自由にできる。

 

元が1トラックしか無ければ、それを複製してそれぞれをさっきのイメージで処理するとか、MelodyneとかでMIDIを抽出して足りない要素を別のシンセで足してあげるとかすることが多い。

 

ちなみにMassiveとか音が太めなシンセで作った音も含め、シンべはオーディオにしてから処理した方がもっと凶暴(図太く)になる。ソフトシンセのままMixしない方が断然いいので、オーディオ化を強く薦める。

 

①の音は②にエッジを任せる事で低音のみに集中する。KICKとの兼ね合いはサイドチェーン等で逃げながらの低音をしっかりと支配しよう。だから思い切ってハイカットしてOK。②はその逆だから、印象がかわらない所までローカットしよう。

 

①のセンター低音に空間系を掛けるとボヤけるけど、②の中域より上のみの音は空間系を上手く使うと今っぽいので、やはり切り分けて作り込むメリットがこういう所にもで出て来る。

 

最近だとトラップとかのサブローってのもあるけど、これはアレンジの話だな。リリースの位置と長さの方が問題だし。

 

③の音はジャンルによる。トラック数が少ない場合は、この低音があった方がオケが寂しくならない。ちなみにサイドの音だからセンターの音は①と②に任せる様な処理が必要。

 

序盤で書いた通り、どの音もシンセなのでEQでの帯域整理がポイントだね。その後はいつも通りBUSにまとめて、軽いコンプ。この時のコンプはアタックもリリースも遅めかつ真空管系が浮きやすいシンセ感をなじませてくれる。

 

なんでもそうだけど、軽く歪ませるほうが抜けも良くなるから、②の音だけプリセンドで歪ませる専用のトラックを作ってBUSに混ぜてみるのも面白いね。

仕上げは、他のトラックとの兼ね合いをこのBUSトラックに対するマルチバンドコンプで整えて行けばいいと思う。WAVESのMV2とかも簡単だし良い結果になりやすい。

 

まとめると、低音の支配がオケの安定感と印象を決めるから、レベル感を一定に保つことと、目立たせながらも、他の音より一歩退くことが重要だと思う。

 

ベース編終わり。 

 

何か質問とかあればコメント下さいませ。


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