プロでも使えるMIXテクニックCOMP編Vol.4:スレッショルドの位置の見極め方の一例
そうそう。コンプ編1つ足しておこう。
スレッショルドの位置の見極め方を書いてなかったなと。
ギタリストが結構上手くないとダイナミクスが大きくついちゃうアコギのアルペジオを例にすると、まずコンプのインプットメーターをしっかりと見る。あえて読むと言ってもいいかもしれない。
1番小さい音が-12dbで、1番大きい音=この場合ピークとする音量が-6dbだとする。いつも通り数字は大体で。
この時の値の出し方は、1番小さい音をどれくらい上げればバランス良くなるかを考えて、その音が引っかかるちょいと上か同じくらいにする。つまり-12db前後。そこからどれだけピークを押さえたいかを意識する。ピークの-6dbが-9〜10dbくらいになると、そのトラックを上に3db余裕が出来るから、ratioは1/2〜3になる値が数学の様に出てくる。バランスが良くなったトラックで上に3db増えれば、他のトラックとの兼ね合いもだいぶ自由度が高くなるはず。
まあ、アタックの設定でリダクションの値は大きく変わるから、前述のアタックとリリースの見極めがやっぱり重要。
この数字や計算が絶対正しい訳では無いんだけど、耳でとかの感覚派(どっちかと言うと、勘だな。)の反対側にこう言う考えとあるって事を言いたい。どっちかしか知らない人より、どっちも知ってる上で使い分けてる他が守備範囲はやっぱり広い。
その音がちゃんと製品のクオリティで録音されていれば、音を変えないクリーン系のコンプを選ぶ、逆なら味をつけたほうがかっこよくなるならサチュレーション系のコンプを選ぶとか、自分の行動に理由が出来てくると闇雲にプラグインを刺しまくってるトラックにはならない。
一つのトラックにいっぱいEQとコンプが刺さってるトラックって、どっかで自分で作っちゃったマイナスとか過剰なプラスを中和する無駄な行程のプラグインがあるはずなんだよね。じゃあ、その最初の方の無駄な処理をしなきゃ、後のプラグイン要らない。だから、一個一個のプラグインを状況に合わせて使いこなすのが必要かなと。CPUも無駄づかいも減るし、高いプラグインを買う必要もDSPも買い足す必要も無くなる。
良いことしかないじゃん(笑)
ここまでのEQとコンプの流れを鵜呑みにしなくて良いから、意識するだけでレベルが上がるはず。少なくとも俺はこれで10年以上仕事になってるからね。独学だけど、いろんな人や場所で、失敗もありながらも本気で作業した蓄積だから、他の人が読んでも無意味では無いと信じたいな。
次からは実際のトラックの処理というか、ミキサー上のルーティンとその意味について書いて行こう。
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