プロでも使えるMIXテクニック 実際のMixの流れ編 Vol.4:ドラムのトラックの積み方の中編

前半がキック、スネア、トップの3つのbusをDrum_busにまとめてってところまでだったので、そっから先に行こう。

 

手を付けてないのがハイハットとタムとアンビ類だね。

 

簡単なハイハットから処理をすると、トップの方にほとんど入っているのでそれを補完するイメージ作業すればいいから、PANと簡単なEQ処理でいい。意外と低音があるので150~200hzくらいローカットを入れて、上がうるさいなら4khz周辺をゆるやかにカット。トップとの兼ね合いで音量を決めるだけ。ずっと鳴ってる音の1つだから、Mixでどうこうする前に音色の選定のほうが重要かな。

 

次にタム。タム類で一番気にした方が良いのは音色より、音の長さと余計な低音。特にフロアタムなんてキックの次に大きい口径なので、チューニングとミュートがちゃんと出来ていないよ意図していない音階のベース音がなっているようなのものなんだよね。

つまり個別のトラックでちゃんとGATEを掛けるのがコツ。もしくは、波形編集でなってないところを確実にカットしていくのもあり。必要な波形だけにしておくとトリガーとかもかけやすいしね。ハイハット同様にトップにかなり入ってくるので、PANとアタックの強調をしていくイメージでOK。もちろん、タムもBusにまとめて、ゆるくコンプ。

 

以上の2つは常にトップの音と混ぜたりSOLOにしたりと、トップの音を中心に作ると簡単。

 

さて、アンビ類だね。ソフトシンセだとオマケのように付いてて、いじってもボリューム位って人も多いんじゃんいかな。実はこいつらがいろいろ問題が多くて、ソフトシンセ臭さやアマチュア臭さが出やすいのさ。

 

ソフトシンセのままかオーディオで来たかで処理が変わってくるので、ソフトシンセから行こう。

 

正直、ソフトシンセのアンビって、かなり嘘くさいのね。BFDもAddictive Drumsも正直使いたくないレベルの音なんだな。

 

何が駄目かっていうと

 

①個別のキットがその空間で鳴ってる音がしない。

②ぺったんこなリバーブ感だけで奥行きがないから、全体の音の薄っぺらい

③普通に録ったら絶対に被る音が入っていない。

④綺麗に整理され過ぎ。

⑤PANのセンターがずれてる

 

とかね。これに更にTrigger系とか使い出すと、トップやアンビ類の音が個別の音が別物になるから嘘くささ全開になる。特にオーディオで来たものに対するTriggerは全く別物になるから余計に一体感でない。

 

じゃあどうしようってなるんだけど、個別のトラックやDrum_Busの音から自分でつくってしまおう。そうすれば、最終的に揃った音色でのアンビ類をつくれるから一体感と奥行きが出せる。

 

どのマイクがどういう音を拾ってるかを理解しているとそんなに難しくないと思う。

 

個別のトラックからプリセンドで送った方がリアルだけど、まずはDrum_BusからROOM系のリバーブに送ることで、全てのキットが同じ空間で鳴っていることを再現する方が簡単。

 

個人的にはやはりUAD-2のOceanwayがずば抜けているが、VallharaのROOMやPLATEも好きだな。KOMEPLTE持ってる人ならRC48があるだろうし、WAVESならManny MarroquinかRenaissance Reverbがあればどうにでもなると思う。

 

一瞬脱線するけど、FabfilterのPro-Q、Pro-C、Pro-MB、VallharaのPlateはかなりコストパフォーマンスが高くCPU負荷もかなり低いので、無理してWAVESの高いバンドルを買ったり、UAD-2シリーズに手を出さなくてもプロレベルのミックスは絶対にできる。

 

もっと言えば、基本が体に入ってればWavesのRenaissance MAXXだけでも充分。これはDAW標準が悪いわけではなく、よりわかりやすく結果が出るように調整されているから簡単ってことね。簡単なマルチエフェクターよりもBoseのコンパクトエフェクターが必要なだけ何台か並んでた方が早いし分かりやすいでしょ?こんなんで伝わるかな。

 

で、本線にもどる。ここでのリバーブの設定は大体で良い。プリディレイをBPMに合わして20~30msとかで、リバーブのが長さは気持ち長め。リバーブの長さは長いと思ったら、その後のEQとかでハイやローを削って存在感を調整しよう。長さでやると楽器が少なくなったタイミングとかで聞こえ方が大きく変わるので、この方式のほうが扱いやすいと思う。

 

後はDrum_busからモノラルのAUXに送って、そこで適当なリバーブ(立ち上げたままの状態でもOK)をかけて、そのトラックを思っきりコンプで潰して、元の音に混ぜると一気に存在感が増えるってのも実際のレコーディングでよくやるテクニックだね。ちなみに混ぜるときにハイを強めに削って置くと馴染みやすい。

 

混ぜる(=パラレル)のときは、元のトラックはフルのまま、混ぜるトラックを0からフェーダーを上げてくのが基本ね。

 

ここまでで基本的なドラムのまとめ方はだいたい書いたんだけど、ここまで理解してから、次回のサチュレーション(真空管、TAPE、コンソール系)やTrigger、トランジェントデザイナー、パラレルコンプを効果的に使っていく方法を覚えていこう。 

 


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