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エールからエールを送られる

 NHKの朝の連続テレビ小説が新しくなった。
 今期は、作曲家古山裕一が主人公の「エール」だ。
 今回の主題歌は、GReeeeNが担当している。「星影のエール」という曲だ。
 例えば洗い物をしている時に口ずさんでいる。何の歌だっけ? と思うと、この主題歌だ。ドラマが始まってからまだ2週間だが、さすがは数々のヒット曲を放ってきたグループだ。確実にメロディを心に刻んでくる。

 今日も朝ご飯を食べながら、ドラマを見始めた。いつものように主題歌を聞いていた。すると、これまで流して聞いていた歌詞が、立ち上がってきた。輪郭のくっきりした言葉として、迫ってきたのだ。
 私は歌詞を正確に知りたくて、検索する。(便利な世の中だ)
 そして、何の言葉に反応したのか、たどってみる。
 
『きっと、いつか今日の日も意味を持って』

『星の見えない日々を超える度に』

『朝も昼も夜もずっとそこにある
 暗闇にほら響け 一番星』
 
 そうか、と納得する。涙がこぼれた。
 私は今、過渡期に在る。この自分の状況に、歌を重ねたのだ。

「今の悩める日々も、振り返ればきっと意味があったのだとわかる時がくる。暗中模索で目標もわからない。でも今は見えないだけで、ちゃんとそこに、私の未来の星はある」
 
 歌の詞は抽象的だ。誰の心にも寄り添う。
 この歌詞を書いた人や、番組の制作の方々に、どういう意図があったのかは知らない。
 けれど、今の私はこう解釈した。
 それでもいいのだと思う。受け取り側が、それで励まされ、歩き始めるなら。それが歌の持つ力だ。

 窪田正孝さんが演じる、主人公の裕一は、神経質そうに眉を寄せる。これからどんな道を歩むのか。あの八重歯が見える笑顔を見たいものだが、もうしばらく苦悩の日々かもしれない。悩める青年だから、応援したくなる。それが少しずつ報われていけば、こちらもまた、階段を一段上がった気になるのだと思う。

 エールを送り、こちらもエールをもらう。
 これからも、見守っていきたいと思う。

 そして、裕一が成功したあかつきには、私も一番星をみつけている。
 そうイメージしよう。

『星影に響くはエール』


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