真夏の目覚め祭り 【設定温度】
酷暑だ。災害級の酷暑だ。命を守るため、エアコンを適切に使いましょう、とそこここでアナウンスされている。
昭和のOLだった私は、エアコンの設定温度をやたらと下げたがるオジサンたちに、本当に悩まされた。わりと広い事務所で、天井にはいくつかの送風口があったのだけど、悪いことに私の席の頭上にも、送風口があったのだ。
その状態で、オジサンたちは平気で「23度」とかに設定しやがるからたまらない。お前ら全員、南極大陸に人事異動したらエエねん! などといくら毒付いても、そんな奇跡が起こるわけもなく(笑)真夏にウールのストールにくるまって仕事をするような日々が続いていた。(まぁ、強制的にスーツにネクタイなオジサンたちも、お気の毒ではあったのだけどね。)
節電のためか健康のためか、理由は覚えていないけど、いつしかエアコンの設定温度は「28度」が理想的、と言われはじめて、少しだけ楽になった。さらに、もう時効だと思うので告白すると、一人で残業をした日に、自分に向かってくる送風口に、段ボールを細長く切ったものをこっそりと詰め込んでおいたら、翌日から劇的に楽になった(爆笑)。ほどなく人事異動でその席から離れたので、あとのことは知らん。
ちょっと話がそれた。
基本的にエアコンが苦手な私は、自宅ではほとんど使っていなかったのだけど、さすがに今年の酷暑には負けて、午後から数時間、お世話になっている。なんとなく、設定温度は「28度」にしていた。
外が暑すぎるからだろう、エアコンは全力で働いている。数年前なら、全力で稼働するのは最初の数十分だけで、あとは、現状維持的なゆるい動作をしていたと記憶しているのだけど。
夕方になっても、まだまだ全力疾走しているエアコンのことが心配になり、そろそろ休ませてやろうとスイッチをオフにした。
と同時に、窓という窓を全開にしたら・・・
「むわぁぁぁっ!」
なんだこの蒸し暑さ! というか、外がこんな状態だから、エアコンも全力稼働していたのだ。
せっかくエアコンで涼んでいたのに、オフにしたらたちまち訪れる不快感。それが嫌で、エアコン稼働時間が少しづつ伸びてゆく・・・のを放置できるほど、そもそも私の身体は、エアコンには強くない。
ふと、思いついた。
「設定温度を、上げてみよう!」
これが、大正解だったのだ。
設定温度は「28度」が理想的、と言われはじめた時代と、今とでは、そもそも外の最高気温がかなり違う。おそらく3度は違うんじゃないかな。
極力、外気温と室内の温度の差を狭くして、でも、そこそこ快適に過ごせるように・・・と考えた結果、現在、我が家の設定温度は「30度」になっている。
エアコンが常に全力稼働することはなくなった。電気代の節約にもなっているだろう。さらに、夕方にエアコンをオフにしたときのストレスもやわらいだ。ということは、身体への負担も減っていると思うのだ。
時代は刻々と変化している。エアコンの設定温度を見直してみるのも、なかなかいいもんじゃないかなと思ったりする。
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