作問者の特徴を楽しめるようになったら定期考査は余裕かもしれないし、そうではないかもしれない。

地方では1学期の期末テストを先生たちが作り始める時期です。
状況が状況だけに、例年よりも日程が遅いけれど、なんとか学力が定着しているかの確認ができるわけで。

今日はそんな試験についてのお話し。

中堅〜下位校の先生たちは、みんなに良い点数を取ってもらいたくて
授業中でも「これを出すよ」「あれを出すよ」とちゃーんと発表します。
優しい先生は、「こんな問題が出るよ」と一問一答形式のプリントを配ってくれます。
もっと優しい先生は、「こんな感じの問題を作るから、ちゃんと勉強しておいてね」と試験問題の問題番号や数字を変えただけの試験対策プリントを配ってくれます。
それでも点数が取れない生徒はなんなんでしょうかね。
それはもう、勉強する気がなかったりどうせ卒業できるだろうと足元を見ていたり、そもそも普通級に通えるだけの能力がなかったりするので、別の手を考えることになります。
(一定の支援をした上で卒業させる・留年→退学推奨・特別支援学校への編入の推奨)

そんな「ある意味で学力を測るテスト」ですが、見所はそこじゃない。
一番の見所、それは

「テスト用紙の形式」

まぁ、これに関してはどこの学校の定期考査もそうなのかもしれない。
具体的な見どころを見ていきましょう。


1 出題形式を見てみる

例えば社会科のテスト。
ある用語を答えさせる問題ひとつとっても
・記号問題
・記述問題
・語群から選ばせる
の3種類が考えられます。
特に「記号問題」「語群問題」では、明らかに答えにならない選択肢もあるのですが
その選択肢に作問者の趣味嗜好・年齢が感じられる場合があります。
用語に関しても、作問者によってはマニアックな問題を出したりするので
注意が必要です。

2 試験用紙で先生が優しいかどうかがわかる

まずは個人的に、「生徒のことも自分のことも考えてるな」と思う解答用紙の特徴をあげてみます。

1 右上もしくは右下に名前とテストの点数の記入欄がある
点数を控えるのに、解答用紙の端っこに名前があると、便利なんですよ。
ごくたまに、解答用紙の解答欄のすぐ下に名前と点数の記入欄を設ける先生がいるのです。

2 机の大きさを考慮している
逆にいうと、B4縦置きの解答用紙を作る先生は優しくない。
半分畳めばいいじゃんと思うでしょ?
そういう先生に限って折り目が解答欄の真ん中に来るんだよ。

3 答えが書き込みやすい
解答欄に余裕を持たせてくれているかどうかって話。
問題を解く側だって、文字に個性があるわけです。
小さい文字しか書けない人、大きくしっかり文字を書きたい人。
明らかに答えを書き込むのに苦労する解答欄があったりします。
エクセルでテストを作って、高さを変えていないんじゃないかって解答欄・・・!
いや、あなたその解答用紙に答え記入しましたか?って問いたい。

次に、優しいと思う問題用紙についても挙げておきます

1 両面1枚で完結する
主に数学ですね。
回収もラクだし、丸つけもラクだし、点数処理もラクだし。
母校は高校3年の時には2枚でしたが
受験対策なのでね、そりゃそうなるよね。
逆にね、両面1枚で済む問題量なのに
ご丁寧にA4用紙片面印刷で4枚を左上ホチ留めで試験を課す先生もいます。
配る人間も解く人間も採点する人間も果てしなくめんどくさい。

2 ページめくり(問題用紙の変更)を頻繁にさせない
国語や英語は問題文と問題がセットになるので
解答するのに問題文と問題を行ったり来たりします。
そのとき、優しい先生の場合は見開き1ページで問題文と問題を完結させるのです。
まぁ、そんな問題を作ることができるのは中堅校の一年生向けか下位校向けになるんですが。
少なくとも1つの設問がページをまたいでいることはないはず。
模試でも入試でも、流石にそんな優しくないテストはないと・・・思いたい。

3 あらかじめ冊子の状態にしておいてくれる
入試や模試の問題用紙って、冊子ですよね。
問題用紙が多くなってしまった場合、作問者にとっては手間でしかないのですが
冊子状にして、一人ひとりに配布できる状態にしておいてくれると
配る方も解く方も手間が省けてとってもやりやすい。
問題用紙の折り方にも、きっと先生の性格が出るのでしょう。
一部ずつ丁寧に折り込む先生もいれば
実は曲がっている先生も・・・
いません。
そもそも冊子状にしてくれる先生は、ほとんどが几帳面で優しい先生なので
きっちり折り込んでくれます。
え?私??
栄養ドリンクの瓶を使って折るので・・・1枚1枚丁寧に折ることは決してありません!

3 テストの外枠で、先生間の関係性がわかる・・・かも。

これは3年間見ていかないとわからないかもしれませんが
テストの外枠(定期考査のタイトルの記入方法・解答欄の幅・フォント)が同じ先生がいたりします。
これは同じ教科の先生同士ではなく、他の教科の先生でもありうる話。
試験監督中に他の教科の先生の問題用紙をマジマジと見て
「あ!この先生のフォーマットいいな!私もこれにしよう!」
とインスパイア(という名のパクリ)が発生します。

また、科目間でも「去年はこんな問題出しましたよー」と情報交換の際に先生がラクをしようと昨年の問題をそのまま引用してみたり(ダメ!絶対!)
指導用の小テスト集や定期考査例が収録されているCD-ROMを先生間で使い回したり(社会科・理科で扱う図やイラストや写真の活用)(保健体育だと、問題そのものをコピーして使っていたりする)

ちょっとこれってどうなんだろうってことも職員室内で繰り広げられていますが
別の意味で真剣にテストに取り組んでみると、学校生活もちょっと面白くなるはず。
同じ教科の先生同士の関係もわかってくるし
違う科目であっても先生同士の仲良し度がわかるし
パワーバランスも見えてくる。
一見同じようなテストに見えるけど、実はちょっと違っていたり
それによって先生たちは口に出さないけれど「あの先生とこの先生は仲良くないんだな」って感づいたり
「やっぱりこの先生はパソコン使えないんだな」って先生に失望したり
深読みすると、楽しいと思うんだよなー。

ちなみに私は一昨年、自分のテストの日でもないのに
自分と全く同じ形式のテストを持っている先生を見て
かなりビビりました。
まぁ、そういうことです。

さて、新任の先生達はどんな試験問題を作るんだろうか。
2・3年生はこんなところにも注目しながら定期考査に取り組んでほしいものです。
フォーマット1つで、個性が出るので。
去年の先生と同じ形だったとしたら
無個性ってことですからねー。

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