一年生が心配でたまらない

6月に入ったので
いよいよ学校が本格的に再開される。
私の勤める学校でも、分散登校という慣らしたんだか慣らしていないんだかよくわからない期間が先週終わり
本格的に授業が始まる。

先週、分散登校での授業を初めて行ったのだけど
なんというのか、やっぱり出ている、学力格差。

高校の数学なんてものは
言い方は悪いけれど最初のうちは中学で勉強しているはずの内容の復習なので
できてくれないと困るし、中堅〜上位校では理解している前提で授業が始まっていく。
例えば数学Ⅰの「数と式」であったら
3乗の展開から始めたり
平方根を含む計算に関しては、有理化から始めたりなど。
本来であったら、4月からそんな感じで飛ばしていくのだけど
県立(公立)高校であったらオンライン授業をするにも家庭によってはパソコンがなかったり、wi-fi環境が整っていないがために、従来の進度よりも遅れてしまっているのが現状。

それが下位校だともっと酷くて
貧富の差というのか、クラスに一人の割合で、パソコンが家にないだけでなく、自分のスマホを持っていない(持たせてもらえていない)生徒がいる。
なので、Classiなどのオンラインツールを確認するのに親のスマホが必要で
親が仕事で忙しい場合は、クラスの諸連絡などの情報が生徒本人に行き渡らずに担任が親に電話をすることになる。
学校からの緊急メールも学校のホームページも自分で確認することが物理的にできないのだから、その時点で情報格差が生じてしまっている。


そう。学力格差なんて、まだマシ。


問題は、情報格差。


もちろん、オンライン環境が整っている家庭でも
スマホやタブレットでゲームばかりのどうしようもない人もいるだろうけど
そんな人たちは一応オンライン上で人と人との繋がりがあるのでまだ良い。
(オンラインでやりとりしないようなゲームばかりだとそれこそどうしようもないのだけど)

しかし、2020年現在、高校1年生が携帯電話を持っていないとなると
何より休校期間が1ヶ月半以上も空いているとどうなるか

そう、6月1日にはすでにグループが出来上がってしまっている。

そもそも進学先が決まった時点で
高校入学前に親からスマホを与えられていた中学三年生は
TwitterやInstagramで同じ高校に通うことになった未来の同級生と
顔を見たことがないうちに知り合っていたりするわけで
入学式の時にはすでに挨拶なりLINE交換なりしているはずなのだ。

いや、田舎の中学生にとってはスマホを持つのは高校受験が終わった時点でも遅くはないのだけど
都市部の中学生に関しては、小学校卒業の時点でスマホを持っていないと情報格差で孤立してしまう生徒も出てくることだろう。
特に私学に通う場合、今回のようなオンライン授業や諸連絡を確認するのに家族の共有パソコンを自由に使うことができなかったらその時点で勉強についていけなくなるし、
そもそもコロナ以前から、友人と外出するときの待ち合わせなどで連絡が取れないと困るのだ。家に電話を掛けるわけにも行かないし。

勉強が苦手で底辺高校に入った上に
学校が始まったらすでにクラスでグループができて
ぼっちになってしまっていることを
6月1日に知ってしまうとは
なんて悲しいことだろうか。

特に、コロナの影響もあるので
忘れ物をきっかけに隣の席の子と机を並べて仲良くなるきっかけなんて作れない
お弁当は机の位置を動かさずに食べるとはいえ
結局はぼっち飯。

友達作りに関しては
流石に大人が首を突っ込みすぎるわけにもいかず

一学期が終わる時点で
どうなるのか、本当に未知数で
先生をやっている立場としても、とても不安である。


もちろん、九九ができない高校生をどうすべきか
足し算と引き算ができない高校生をどうすべきか
そんな不安ももちろんあるんだけどね!

なんで 1×1=2 なんだい?

どうして 4x−4x=x なんだい?

中学の先生は一体何を教えていたんだい?

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