英訳で天官賜福を読むコツ

中華BLが熱い

昨年唐突に知った魔導祖師の原作からアニメ、実写ドラマ陳情令とすべてのコンテンツを摂取し完全に中華BL(というより今のところは墨香銅臭先生作品)に燃え上がってきました。

同作家の作品「天官賜福」はアニメが日本語吹き替えで上陸しております。その後天官賜福は翻訳版が2022年10月に第一巻、2023年2月に第二巻が発売しました。

そしてあるあるですが、続きがどうしても読みたくなり噂に聞く魔翻訳に手を出そうと思いました。

魔翻訳とは

魔翻訳とは…翻訳アプリなどを使って自力で翻訳して読むことを指すネットスラングのようです。

中国発の原作なのでもちろん原作は中国語です。中国語から魔翻訳している方も多くネット上に散見されます。ただ翻訳ツールは時々文を飛ばして翻訳することがあるようです。

中国語だと飛ばしている分があるかどうかもわからない。
けれども英語ならいけるかなと思い、わたしは英訳から魔翻訳を始めました。

英訳で読み始めた

英版天官賜福はSEVENSEAS社から出ています。
日本中心としたアジアの漫画や小説の英訳出版を数多く手掛けており私の大好きな十二国記もこちらで英訳されているようです。

英語版で買うと挿絵が入ってます。(どうして日本語版には入っていないの…。)全8巻になる予定のようです。

熱意と英語の勉強も兼ねる気持ちで読み連ねていきます。

英訳で読んでいくコツ


天官賜福は全252話と超大作で以下のような章立てとなっています。

天官赐福(1話)
第一章血雨探花(2話~57話)
第二章太子悦神(58話~88話)
第三章百无禁忌(89話~180話)
第四章白衣祸世(181話~198話)
第五章天官赐福(199話~244話)

外伝
花灯谜,元宵夜(245話)
太子殿下的奇妙记忆漂流(246話~249話)
鬼王的床边故事(250話)
哎呀!万神窟(251話)
鬼王的生辰(252話)(245話~525話)

日本語訳第一巻は1~15話まで、二巻は16~39話までが収録されています(日本語訳版が中途半端な終わりだったのにもわけがあるんですね。)

日本語翻訳の続きからがどうしても気になる人は40話から読めばいいということです。

お役立ちツール

Goole翻訳
改行が入ると別の文として認識されてしまうので意味が取れなくなることがあります。人名はカタカナで出ます。

DEEPL
DEEPLのほうがGoole翻訳より自然ですが、自然に文を飛ばして翻訳するのですっ飛ばしに気付かないこともあります。
人名は漢字で適当な当て字でいれた翻訳が出てきます。

kindleの翻訳機能
これが一番正確でした。PDFにしてそれをkindleにいれるという作業は必要ですが。辞書機能もあるので単語を調べながら読んでいくのにもやりやすかったです。

ちなみに「Heaven Official's Blessing english translation PDF」 なんて入れると英語圏の方の有志翻訳がゴロゴロ落ちていましたりもします…


天官賜福用語集 

これをめちゃくちゃ使わせてもらいました。
英語名だと人名がとにかくだれがだれだかわからない。
Shi Qingxuanと言われてもさっぱり覚えられませんが、我々の姉君!(うそ)師青玄、風師を指します。なんていうのをこちらで調べられます。日本語翻訳の既刊分で出ていればなんとなくの音でわかりますが、新キャラとなるとさっぱりなので検索でヒットさせて音と漢字で頭で一致させてから、まや都度都度調べなおしながらキャラや地名国名を覚えました。

Audiobook
公式ではありません。有志翻訳と同じで有志で音読してくれている方がいます。1話ずつ20~30分程度の動画になっていて、各話の場面に合わせたファンアートがサムネになっているのでそれもよかったです。(Audiobookも随時作成中のようで2023年5月現在中国版4巻、180話を超えたあたりまでUPされています)
耳からも聞きながらテキストを読みました。

https://youtube.com/playlist?list=PLGijXu--XBTWCb1-M0-xlwXVY-9teSL-v

これらを駆使して何とか読み進めていった次第です。

読み進めの方法

それぞれの語学力で全然違うとは思いますが、私の場合は以下のように読み進めていきました。

初期の頃
1Audiobookを聞きながら該当箇所を目で追い、一応自力で読む
2Google翻訳とDEEPLを見比べながら内容を確認する
3同じ個所をもう一回読んで最初に拾えなかった部分をさらう。

1話読むのに30分以上かかるから進まない進まない…もっと英語を読みなれている人だったらそうではないんでしょうが読むスピードは慣れだなと思います。
日本語訳の天官賜福なら1冊まるまる3~4時間程度ぶっ続けで読み終わるくらいの読書スピードなんですが、英文だとぶっ続けで1時間程度で頭がくるくるしてきて読めなくなりました。しかも1時間よんで2話程度しか進まずという体たらくです。
そもそもAudiobookと併用していたのも頭で単語が理解できなくても耳で聞いたら理解できるものもあったから、頭で読むよりも読み上げてもらったほうが早かったのです。

しかしそれも読んでいくうちにだんだん読むスピードが早くなっていきました。続きが気になる、その情熱だけでやっていっていた気がします。
情熱があれば何でもできるんだなって思いますね!

読了後の感想(ネタばれなし)

あくまで英訳をしてみての感想ということで細かい内容の感想はいれませんが、ほんっっっとに読めば読むほど物語の完成度の高さに感嘆しました。世界観の奥深さ、細かさ。キャラひとりひとりの魅力、それぞれの関係性や愛憎の描き方が鮮やかでのめりこむように読んでしまいました。
シリアスなどころはどこまでもシリアスな一方いちゃいちゃやギャグ回は軽く、物語の温度差に風邪ひきます笑
殿下と花城の二人にも目が釘付けで本当に素晴らしい物語でした。

英語学習も取り組みたいと思っている者として、多読多聴が効果があるとは聞いていましたが、とんでもなく効果ありでした。
通勤ではAudiobook、帰宅後は本を開きという天官賜福漬け生活を3か月くらい続けていたからですね。
聞き取れる英文が増え、知っている単語が増え、英語を英語のまま理解するスピードが格段に上がりました。

翻訳機能をバンバン使っていたので純粋に学習するのと比べてはいけませんが。また個人的に理解しずらい文の組み立て「~というわけではない」的なのがくると意味が取れなくなってしまい苦労しました。

しかし一日で英語に触れている時間を自然に増やせるのはシンプルに効果てきめんです。情熱をもって燃え上がってやったことが学びにもなって一石二鳥です。

中国語でもわかるようになりたい

翻訳では満足できない、とまではいきませんが原文で読めたらどんなに素敵だろうと欲が出てくるわけです。
そこで中国語学習歴数年の知人がこれが初心者にいいんだと太鼓判を押してくれたのが、
NHKラジオ中国語講座

こちらです。
月~金の15分の講座を聞いているだけで、まったくわからないながら楽しく聞いています。

「紅紅児」の言葉の可愛さよ

そしてわかる紅紅児の可愛さ。

重ねの言い方
中国語では本来一文字で通じる言葉を同じ言葉を繰り返すことで親しみや軽さ、可愛さが表現できるようです。

花城の太子殿下への呼び方「哥哥( gē ge )」もそうですね。哥は兄を指す言葉ですが、重ねることで親しみが表現されています。

「紅」あか
「紅紅」まっかっか

といった具合でしょうか。

児(アル)

日本語でも「根」のことを「根っこ」というとかわいらしく聞こえるように中国語でも接尾語としてアルをつけることでかわいらしい響きが表現されてるようです。

以上を踏まえると「紅紅児」という呼び方はとってもかわいい言い方だと、ネイティブスピーカーだったら無意識に感じ取るのだろうと思います。
あえて邦訳するなら「まっかっかちゃん」とか?

今度は中国語で魔翻訳もしたいなと夢が広がっていきます。



そんなこんなで英語に中国語に墨香銅臭先生のおかげで世界が広がっております。天官賜福の続きをどうしても読みたい方に英訳天官賜福のコツをお伝えしました。ありがとうございました。

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