人生で初めてイチジク浣腸をやった話

諸君、私は便秘である。
酒を好み、小麦粉を好み、米を好み、野菜と肉もなんでも食べて美味いもん食べて暮らしてきた。
けれども一方、けつの穴(正確にいえば腸であるが)が全く仕事をしない割に、室温の変化に敏感であった。つまりは腹が痛くともなんも出ねえってわけ。

元々レクサプロという抗うつ剤で腹を下しやすくなっており、その形で処方された漢方薬があり、最近はそれでもっぱら軽快に暮らしていた。まーでも、定期的に来ますわな。It's a Venpi world.褒め言葉でもなんでもない。苦行の始まりである。

出なすぎてキレそう。むしろ出したらケツの穴がキレそう。パチンコ台叩いてるおっさんの気持ちがわかりすぎてキレそう。というか便座に座ってる時間が長すぎてキレそう。トイレに座りながら本とか読みたくないし、なんならスマホも触らないので、ただひたすら便座の上で瞑想するのみである。腹は重くて固いし、出ない。悟れない。歩くだけで下腹部が使えて腹が痛い。しゃがむだけで下腹部が重くて違和感がある。あーこれ、完全にキューが詰まってますわ奥さん。

キレにキレたので、浣腸を使ってみることにした。私はボーイズラブをよく読むので、浣腸に関しては一通りの知識があった。けれども、自分が使ったことは一度も無かった。BLのボトムが喘いでいる様を思い浮かべて、一度体験しておくのも悪くないかもしれないと考えた。完全に過ちだったのかもしれない。
近くの薬局に自転車を走らせ、イチジク浣腸を手に取った。コーラックとかいう薬もあったが、ただそのときは「浣腸をしてみたい」という興味関心に溢れていたので、すぐに棚に戻した。会計時についでにアクエリアスを78円で買い、自宅に戻った。

早速イチジク浣腸を開けてみると、2つ入っていたので驚いた。公式サイトをみると時間を開けて2回使うと効果的とのことだった。早速一本目を開封して使ってみる。入らねえ。そもそも乾いたケツの穴には棒1本も入らねえ。説明書きに上を向けて薬剤で先を濡らして入れろと書いてあるのでその通りにした、なるほど流石である。刺さる分には刺さったが、先っちょだけ状態で、あと3cmはチューブを入れる必要がありそうだ。BL小説でよくあるシーンを思い出しながら耐えた。やや突起に逆らった後は比較的容易に入った。排水溝掃除のような感じだ。

まああとはめんどいので省略するけど、薬剤を入れて終わりである。まーこの薬剤注入もむずい。けつを下にしていると薬剤が入らないので自然とけつを上に上げる必要がある。BLでありがちな辱めポーズには理路整然とした理由があったのだ。

そんなこんなで休みながら2回目をしたが、3分程度しか頑張れなかった。便意より何より、腸が収縮する感触がヤヴァイ。腸がギュウウウンと渋谷のイカしたDJバリにスクラッチするので、それに合わせて身体をひねるしかない。めっちゃ汗かく。ついでに言うと最近引っ越したんだけど、前の家のトイレは左にトイレットペーパーホルダがありちょっと腕かけられる感じだったのに、今の家はおしゃれなペーパーホルダーが右についていて、うまいこと体重を預けられる場所がない。控えめに言って地獄。ひどい目にあった。
めっちゃ出たという感じでも無かったが、なんとなく腹は軽くなり、ぽっこりとしていた下腹部が真っ直ぐになった。ただ、いきなり蠕動運動を繰り返したためか、著しく体力が削がれた。BLだとこの後セックスするんだよな?普通に無理でキレそう。良い体験になった、おれはBLを読むぞジョジョーッ!!

スーパーで低い棚をしゃがみながら物色しているときに感じていた腹部の違和感もない。ジーンズのボタンも閉められる。ポカリスエットをちまちま飲みながらその日は絶食、夕飯に美味しいおかゆを食べた。おしまい。

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