秋華賞

はじめに

 異常気象も落ち着き、ようやく秋を感じ始めた頃には、もう今年は残り2ヶ月半。月日の流れは恐ろしいものです。
  さて、金杯から見てきた今年の競馬もいよいよ終盤戦。秋天やJCが大怪獣大戦と化しているなか、こちらも"お嬢さん"のラストクラウン制覇に競馬ファンの注目が集まっています。
 今年の牝馬は決してレベルは低くないのですが、彼女の常軌を逸した走りの為に、いつの間にか1強ムードが漂っています。早速、"リバティアイランド"のラストクラウンをかけた一戦、秋華賞の予想を始めていきましょう。

レース予想

リバティアイランドのオッズと不安要素との天秤

 能力的な評価としては1つ抜けているとみて良いと思います。「はじめに」でも触れた通り決してレベルの低くない今年の牝馬戦線に対して別格の強さを見せつけているあたり、その能力は折り紙つきです。また、ここまでのレースも決して展開が向いた訳ではありませんでしたからね。JCを視野に入れた調教で、フルパワーとはならないのではないかという噂についても、陣営の「まずはここ」という受け答えを信用してよいと考えています。
 改めて、リバティアイランドの能力は十分信用できるというところですが、競馬はオッズとの兼ね合いを考えて結論を出す必要があります。正直、一強ムードが強すぎて、深く考えずに頭固定にしてしまいたい所ですが、競馬に絶対はありません。過去を遡ると、かつての3冠牝馬たちの多くが最も2着馬との差をつけられなかったのがこの秋華賞というレースです。というのも、本レースは京都内回りで行われるため直線が比較的短くなっています。そのためいくら能力があっても、馬群を抜け出せず1着を取りこぼしてしまう可能性が付き纏います。また、枠順も内枠の6番で、かつ強い先行馬が比較的外枠に集まり、その不安が際立ちます。
オッズが高い馬であれば、期待値的にも無視できる要素なのですが、現状の1.1〜1.3倍を推移している状況をみると頭固定が正しい判断なのか怪しいところです。
 ダイナミックなストライドで走るリバティアイランドは決して内回り適正が高いとも言えないからこそ、彼女を頭固定にして無理やり点数を抑えるのは得策ではないと考えています。正直このような可能性は1~2割程度だとは思いますが、1割でも可能性があればオッズ的に頭固定は避け、馬連、三連複で勝負するべきだと考えています。

馬券組みの方針

 正直に言って、難しすぎてよく分かりません。というのも、リバティアイランドを除く上位人気馬に不安要素がありすぎて買いづらく、逆に人気薄だが好走の余地がある馬もかなりいて、なかなか絞れないといったところです。
 して、こういう時に重要となるのが、狙う展開や求める好走条件を絞って狙うということです。能力やオッズ妙味で決めきれない時は、必要な条件の方を絞って、それに合った馬のみで馬券を組むということです。これのメリットははまれば選んだ馬がまとめて好走し、はまらなければ誰も来ない、すなわち0か100かの馬券を組むことができます。
 例を挙げると、スローペースを仮定してこの条件下で好走する馬のみで馬券を組んだ時、スローペースになれば前が残るので逃げ先行馬を選べばよいですし、求める能力もスタミナよりもスピードや加速力といったものになるでしょう。
 では、どのような条件を狙うのかですが、前半59秒代程度のハイペースからの下り坂によるジェットコースターで前が疲弊する展開です。
 というのも、京都内回りはスタートから最初のコーナーまでがとにかく短く、位置取りが過熱しペースが比較的はやくなりやすくなっています。また、3-4コーナー間の下り坂の影響もあり逃げ先行馬が息が入れずらい構造も、この傾向に拍車をかけています。更に、リバティアイランドの存在もまた逃げ先行馬にとって脅威となるでしょう。彼女よりも仕掛けが遅れたが最後、驚異的な末脚を前になすすべもなくかわされることが目に見えています。そのため、早め早めに仕掛けようとする心理が働き、結果として前が総崩れになると予想できます。
 とすると狙うべき馬の能力の方向性は自ずと決まり、馬力とスタミナを持った欧州志向の馬が重要となってくるでしょう。また、新装京都芝の傾向としてサンデー系などの主流血統の伸びが発揮しやすくなったことも、差し追い込み馬を狙うにあたって考慮したいところです。特にロベルト系の馬はかなり適性を示すのではないでしょうか。
 従って、欧州×主流血統、特にロベルト系の血を持つ馬から選んでいければと思います。

最終結論

◎6 リバティアイランド
〇5 ドゥーラ
▲8 モリアーナ
△12ドゥアイズ
△16 ピピオラ
消2 ハーパー

リバティアイランドはドゥラメンテ×ロベルト系で血統的にも今回の条件に合致し、また能力も十分信用できると思います。ただ、前述のとおりオッズとの兼ね合いから、一着固定は避けて勝負したいところです。
ドゥーラはドゥラメンテ×リファール系で、リファールといえば本レースの卒業生ジェンティルドンナが4×4のクロスを持っていたことからも信用できると思います。
モリアーナはエピファネイア×サンデー系で、主流色の強いロベルト系×サンデー系で今回の条件に合致します。
ドゥアイズはルーラシップ×サンデー系で血統的にも良いのですが、過去のレース質から持久力がありロンスパ合戦にかなり適性があるとみて穴として馬券に組み込みました。
ピピオラはモーリス×サンデー系でかなりロベルト色が強い血統で、今回のねらい目としては積極的に入れていきたい馬です。

逆に消す馬としては、相反する能力を持ち、枠もいまいち、距離延長で好走した後に距離短縮で挑むこのローテ、更にはルメール人気で妙味もないハーパーを選びたいと思います。

券種としてはかなり人気薄に多く印をつけたので、馬連は◎から各印に流し、三連複はある程度広めに買っていこうと思います。

いざラストクラウンの決戦を、そして三冠牝馬の誕生を見届けましょう。


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