ヴィシャーカの満月
5月16日 13:14 ヴィシャーカでの満月。
今回の満月には、次の3つの要素が絡み合っています。
・ヴィシャーカというナクシャトラの性質
・月蝕
・ブッダプールニマ
ナクシャトラ
Vishakha ヴィシャーカ
支配神:インドラ神・アグニ神
支配星:木星
シンボル:勝利の門
支配神のインドラ神とアグニ神。
2説あって、別々の2人の神様とする場合と、インドラアグニというインドラとアグニが合体した神様とする場合があります。
インドラ神は神々の王。アグニ神は火を司ります。
インドラは雷、嵐、戦いを司り、嵐の後には肥沃な大地を、戦いの後には勝利をもたらします。そして、稲光は天と地、神々と私たちをつなぎます。
アグニの火は浄化の火。不純物を焼き尽くし、その中から本物だけを浮かび上がらせます。火は、煙となって天にのぼり、私たちの思いを神々へと伝えます。
インドラ神とアグニ神のエネルギーは天と地とを結び、魂の変容を促します。
シンボルは葉に覆われた勝利の門。
この門の解釈はいくつかあって、言葉通り勝利の凱旋門を表わすというもの、結婚の際にくぐるアーチを表わすというもの、そして、聖なる領域への入り口を示すというものなど。
最後の聖なる領域への入り口は、支配神のもつ変容のエネルギーと結びついて、魂の成長を示唆しています。
ヴィシャーカでは、意識はうち側に向きます。自分の中にある本来あるべき姿を探ろうとする内向きの探索力が働きます。
本来の姿に気づき、必要な変容を遂げることが、ヴィシャーカというナクシャトラのもたらす人生の課題です。
月蝕
今回の月蝕には、ケートゥが関わっています。
月は常に揺れ動き、繊細な私たちの感情を表わします。ケートゥは月の軌道と太陽の軌道の交差点。西洋占星術ではドラゴンテイルです。
神話では頭のないドラゴン。物質世界に興味がなく、理想主義でスピリチュアルな性質。物欲、執着がなく、ものを手放すほうへと力が働きます。
月蝕は光を闇が飲み込むもの。
ケートゥによる月蝕はゲーム・チェンジを引き起こし、より高次の覚醒へと導くとされています。
ケートゥは過去のカルマとも関係するもの。
過去から引きずってきたもの、これまでうやむやにしてごまかしてきたものが、姿をあらわすかもしれません。
次の新月までの間は、ふと過去を思い返すような出来事が起きたり、過去の学びを再確認するようなことになったりと、過去とつながることを経験させられるかもしれません。
不要な過去との結びつきはここで一度精算しておくのがよいかもしれませんね。
ブッダ・プールニマ
仏陀降誕の日として仏教国でお祝いされる日です。
仏教徒の人々にとっては、特別な日です。寺院に集い、お参りをし、戒を守って過ごします。
たゆまない集中、観察、瞑想などを通して、心の解放へいたる道を説いたのが仏陀です。
これから一週間ほどの間は、一日の中で少しの時間でよいので、瞑想の時間をとってみませんか?
瞑想といっても、ただ静かに座って呼吸をととのえ、今ここに集中するだけです。
無になる瞑想ではなく、自分と向き合う瞑想。自然と湧き上がる心の声と向き合うための時間です。
静かに座り、湧き上がる心の声に耳を傾けることを毎日続けるなかで、やがて、あなたが本当に求めているゴールが鮮明になってきます。
魂の変容を促すヴィシャーカ、状況を転換させ過去と向き合う月蝕、そして、吉兆なブッダプールニマが重なる満月。
次の新月まで、瞑想を通して、気づきと変容を味わう季節です。
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