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ちゃんどら通信:激しさを伴う月食

本日、17時57分に迎える満月では、部分月食が見られます。

部分月食といっても、かなりの部分が影に入るので、皆既月食に近い部分月食です。そして、月食が起こっている時間が長い少し特別な月食のようです。

天体ファンにとっては、月食は観察の対象なのでしょうが、インド占星術では、月食や日食は直接見ないこととされています。私たちの魂の目的を表す太陽や、心や感情を表す月の光が闇に覆われる間は内省の時。家の中で過ごし、瞑想などが勧められています。

さて、今日の満月のナクシャトラはクリッティカ。

クリッティカ Krittika
牡羊座26度40分~牡牛座10度00分
*インド占星術では西洋占星術とは違い、サイデリアル方式で星の運行を計算しています。
支配神:火の神アグニ
象徴:刀

支配神が火の神アグニですので、炎のパワーを伴う月になります。

アグニ神は火を司る神であり、変容をもたらす神。なぜなら、あらゆるものは、火によって燃やされることで、そのものの形も質も変わるから。それが炎の力です。

アグニ神の炎はその解放の力で、私たちを縛り付けていた古い規制や恐れを焼き尽くしてくれます。

自分はこの程度なんだ、という勝手な思い込み。世の中ってこんなものよね、という勝手な諦め。

浄化の炎は、そうした私たちの精神や心にある思い込みなどのがらくたを焼き払い、後ろ向きな態度やネガティブ思考など、もう不要となったお決まりの思考回路から解き放ってくれるのです。

炎によって浄化されてクリアになった新しい世界で、私たちは、また新しい経験をひとつひとつ積んでいくことができます。

そして象徴は刀。

鋭い刃をもつ刀によって、物質的なものであれ、精神的なものであれ、断ち切ることにスポットライトが当たります。

魂の戦士の星とも呼ばれるクリッティカ。見せかけ、あいまい、いい加減といったような行動を鋭い刀で突き通し魂の成長を促します。

支配神アグニの炎と刀に彩られたクリッティカの月がもたらすエネルギーは、変化のエネルギー。

物であれ、考え方であれ、人間関係であれ、これからの自分にとって不要なものを断ち切きる、あるいは、焼き払う。そうすることで、新しい景色が見えるようになり、自分自身を変えていくことができるのです。

今回はここに月食のエネルギーが加わります。

食は新しい始まりや新しい機会をもたらすとされています。また、世の中の動きでいうと、突然の躍進、突然の崩壊のどちらとも関係しています。

個人的なことの場合には、月食は心や感情を表す月で起こるので、心にとって不要なもの、もう役には立たない思いなどを手放すようにというエネルギーが働きます。

手放す、解き放つ、一掃する、さよならする。心のリセット。そんなエネルギーです。

クリッティカというナクシャトラがもつ断ち切り浄化するエネルギーと月食のエネルギーがかさなる満月は、かなり激しい空気が漂います。

新しい扉を開けるためには、後ろの扉を閉じる必要がありますが、今回の満月では、その扉をそっと閉めるのではなく、激しくバタン!と閉める感じ。

ゆっくり訪れる変化ではなく、突然にとか、急にとか、思いもよらずといった感じの変化です。

年末に向けて、心の整理や変化することをうながされる満月。来年に向けて自分自身と向き合う時間にされるとよいと思います。特に月食が起こっている間は、静かにご自身と対話する時間にされるとよいですね。

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