遊佐町議会に思うこと

第566回 遊佐町議会 5月定例会を終えて


2023年6月30日を以って遊佐町議会議員の任期満了となりました。
訳あって今期を持って遊佐町議会議員を退く事となりましたが、5月い開催された『第566回遊佐町議会5月定例会』について少し報告させていただきます。

議員発議

今回は6月に改選があることで、通常6月に開会される定例会が5月に前倒しで開会されました。
この定例会では、通常の予算案や条例案の他に、今期設置されていた特別委員会の報告がされました。
さて、今回は通常の案件と特別委員会報告のほかに、最後に私が「動議」として「臂曲地区採石地の早期の緑化指導を求める要望書」「遊佐町沖洋上風力発電事業への情報の提示を求める要望書」の2件を発議しました。

この2件については特別委員会が設置されていて、その調査等を行なってきましたが、これまでも特別委員会で何かしらの要望等のアクションを起こすべきではないかと思い発言してきましたが、結果として両特別委員会委員長は「報告のみとする」として最終報告まで何もしなかったのです。
「このままでは議会として責任を果たしていない」と思い、以前より作成していた要望書案を議題に載せることにしました。

動議に至った経緯

この要望書は、先に述べたとおり以前より作成していました。
臂曲地区採石地の早期の緑化指導を求める要望書」については、前年の2022年の9月議会に提案しようとしていたものです。
その前月に最高裁判所が当町の条例の有効性を認めた判断をしたことで、その結果をもって早期の緑化指導を求めていくために、議会として県に要望書を提出しようと考えました。
しかし、今期当初から設置されていた特別委員会を蔑ろにするようなこともできないと判断し、要望書等の必要性を伝えたのですが、委員長は「要望書等の必要があるのではないかと言う意見があった。」と紹介したに過ぎなかったのです。
その後も特に検討したような経緯もなく、最終のまとめの段階で私が「このまま何もしないのか?」と質したら、委員長の回答は「本会議で報告して終了します。」との回答でした。
遊佐町沖洋上風力発電事業への情報の提示を求める要望書」についても、2022年2月に特別委員会内の小委員会メンバーで県庁に訪問し、担当部の部長、課長などと意見交換という形で面談しましたが、その後文書照会とした内容で文章を出そうとしました。その提出先として私は知事宛とするべきと主張しましたが、特別委員会委員長は担当部長にすることとしてきました。
私としては、議会が提出するのであれば提出相手は知事であるべきと思っていましたが、これは「特別委員会が委員長名で出す。相手先は当該部長にする。」としたことで、年度末を迎え県の人事異動で部長、課長が移動したことで、結果として提出してこなかったのです。
そのまま今期末を迎え本会議に報告する段になった際に、要望書等の提出はしないのかと委員長に質したところ、その答えとして「考えていない」とのことであったのです。

動議提出まで

上記の経緯があって議案提出に至ったわけですが、当初通常の議員発議として提出したのです。
議案提出は議会開催中に行うものですが、遊佐町議会の申し合わせ事項(いわゆるローカルルールです)として「発議は議会運営委員会の前々日までに提出すること」となっていることから、今回の定例会の議会運営委員会の開催が5月16日(火)だったので、5月12日(金)に提出したのです。しかしその手続きに「待った」がかかり、この提案を受け付けてもらえなくなりました。
なぜ「待った」がかかったのかは不明でしたが、提出を見送りました。
それでも議員としての責務としてゲリラ的な方法とは思ったのですが動議を出そうと思ったのです。
その方法を検討していたときに、二人の議員から「議会としてこれで良いのか」と言われたため、動議という手段で2つの要望書を提案しようとしていることと、協力してもらいたい旨を伝え、賛同していただき協力していただいた。

動議を発議

実際のところ動議までには、特別委員会として何らかの発言があるのではと一縷の望みをもっていたのですが、議会閉会の間際までこれらの件については何の動きもなかったので、議長が閉会を宣言する直前に動議を発議しました。
先に申し出ていただいた二人の議員の賛成で動議が成立したのですが、すぐに休憩となり議会運営委員会が開かれ、「タイミングが悪い」等の意見もありましたが追加議案として日程に追加され、審議することとなりました。
さて、この発議ですが、一部に特別委員会が報告した後に行うのはいかがなものか?という意見もありましたが、3月議会でも同じように動議がなされた経緯もあったことから議案として日程に追加されました。

議案の審議・採決

動議という力技で議案を提出しましたが、これまた審議が大変なものとなりました。
審議・採決の模様は下記のURLから動画で見ることができます。(1:38頃から始まります。)
http://www.yuza-town.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=05

上程後、質疑に入るわけですが、その多くは「表現がダメだ」「文章が変だ!おかしい!」「もっと推敲しろ」「取り下げろ!」といった内容だと思いました。
しかしその内容というと、願意は賛成できるが、この文章がヘンだというだけで、どのようにヘンで、どのようにするとヘンではなくなるといった部分はなく、「とにかく文章がダメだから取り下げろ」といった内容の質疑であり、全体の質疑の雰囲気から、「とにかく取り下げろ」と言わんばかりに感じました。
さらに散々「推敲が足りない」と言われるので、「私の文章能力が低くてスミマセン」といえば「自分を卑下するな!質問しづらくなる!!」といったような発言もあり、とにかく大変でした。
質疑に答えているとき感じたのは、疑義を質すというより、こういった表現は問題だと思いますがただ単に難癖をつけているようにしか感じられませんでした。
修正を求めるのであれば修正案を提示すれば良いだけだと思います。
また、「現実問題として出来ないから」「自分で調べたり聞いたりできるから」といったような理由で、議会が要望書といった形で文章を出す必要が無いといった表現をすること自体、議員としてどうなんだろう?と思ってしまいます。
当然、これだけ揚げ足取りのような質疑があったので、結果として「臂曲地区採石地の早期の緑化指導を求める要望書」は賛成4反対7で否決。「遊佐町沖洋上風力発電事業への情報の提示を求める要望書」は賛成3反対8で否決となりました。

否決されて

否決された後、賛成しなかった議員から「タイミングが悪かった」「改選後で良かったんじゃないか」などのご意見をいただきました。
「タイミングが悪かった」と言いますが、改選まで半月もないのにどのタイミングで提出すれば良かったのでしょうか?「改選後で良かったんじゃないか」と言うことは、単に問題の先送りではないだろうか?と思ってしまいます。
また、質疑された方々は賛成しなかったのですが、これまで議会でもこれらの課題に対して町長をはじめとした執行部に同様のことを厳しく言ってきたはずです。
許認可権などの権限の無い町に対しては厳しく言って、権限のある県や国に対しては非常に慮り、気を遣った発言をするのはどのような理由があるのだろう。
どちらの件も町民にとっては非常に大切な案件だと思っています。
否決後に話した方々は非常にこの提案を好意を持って賛同してくださいました。
特に「臂曲地区採石地の早期の緑化指導を求める要望書」については、多くの町民の方々や団体を巻き込んで大々的に反対運動や署名活動なども行なった事案なだけに、一部では反対議員は誰なのか?と犯人探しのようなことを言われる方もいました。
日が経つことで伝言ゲームのようになり、提出者である私(赤塚)が反対して否決したと言う話が一部で噂されたりと、何だか面白い展開になっています。

終わって

結果として否決されましたが、両方の提案に賛成していただき、協力いただいた菅原議員、本間議員には心よりお礼と感謝を致しています。
特別委員会が本会議に報告のみとしたときに、両議員は「本当にこのまま終わって良いのか」と本気で心配していました。議員としての責任を重く捉えていたのでしょう。これからのさらなるご活躍を願っています。
ところで賛成されなかった議員の方々(あえて反対とは言わずに賛成されなかったと表現していますが・・・)はこの件を今後どのように対応するつもりなのでしょうか?
「改選後なので気持ちも新たに対応します」と言って同様の内容の意見書を出してくるつもりなのでしょうか?。もしそうなら、あの否決は何だったのかしっかりと説明してもらいたいものです。
また、どんな文章で出してくるのかも楽しみです。あれだけ「推敲ガー」って言ったのですから、すごく良い文章なのでしょう。それこそのちの教科書にも載るくらいの素晴らしく見本となるような非の打ちどころのない文章なのでしょう。
さらに、これ以上にないタイミングで提出されることも期待しています。

さらなるご活躍を願っています。


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