『方壺園』

4/21-22
陳舜臣『方壺園』(ちくま文庫)
んーおもんな! ジャハーンギール時代の話の「獣心図」だけは設定が面白かったがミステリがぜんぜん楽しめなかった しかもこれ犯人当て企画として出されてフーダニットとハウダニットとホワイダニットぜんぶ当てろって書いてあったらしいがこのホワイダニットを当てるのは無理だろ
しかもなんかどの話も似たような造形の人物が出てきて意外と引き出し少ないのか……? みたいなかんじに いまさらよむようなものでもない

M. Ageyev "A Romance with Cocaine" Hesperus Press Limited
М. Агеев « Роман с кокаином » の英訳。とりあえず Hugh Aplin 訳でよむが Michael Henry Heim 訳も適宜みる。

"School" 1
学校に持ってく授業料を忘れて母親が届けに来てくれるが、母親のみすぼらしい様子に主人公のヴァディム・マスレニコフは学友の前ということもあって冷酷な態度をとる。

2
ヴァディムは性病になる。新聞の広告でみつけてきた医者とみょうに仲良くなる。性病が治らないうちからモスクワの街に出ててきとうな女の子をナンパしてそれを移そうとする。(ひどすぎる)
金もないのに見栄を張って馬ぞりに乗ろうとするが女の子が代わりに値切ってくれる。やさしい。
寝たあとまたぞろ罪悪感に囚われたりしているがこの主人公母親を罵ったあともちょっと罪悪感に囚われていたし小物感がすごい。借りてしまったが返せないお金という性癖ポイントで 10000 点加算。


きょうは近所のそば屋に行った。
そういえば冬にそむくで

「こういうのいいよな」
「何が?」
「食い物の話とか」
「ああ」
「こういう話だけしていられたらいいなって思う」
「一生終わらんけど?」
 美波のことばに幸久はほほえんだ。
「それでいいよ」

というシーンがあった。食い物の話はたしかにいい。海老天がおいしかった。そばは三玉まで同額だというので二玉にしたが、食べきるのにかなり覚悟を要した。

そば屋のレジにはモルペコ(はらぺこもよう)のちっちゃなフィギュアが置いてあって、きっとバイトのだれかが持ち込んだんだろうなと思った。そのバイトはふだんから仕事場にいらんもんを持ち込んでは先輩バイトに「またそんなものもってきて~」と苦言を呈されているが、この先輩だって本気で怒ったり嫌がっているわけではもちろんなくて、なんやかやでレジ前にモルペコは鎮座することになるのだ。というようなことを考えていたらクーポンを使い忘れるところだった。


家に帰ってからはずっとブラームスを聴いていた。Capriccio はめえきょくだ。この動画のコメント欄でディズニーの「星に願いを」の先祖扱いされててややウケ。