取っておくとか捨てるとか

お片付けはお片付けでも部屋のお片付けではなくデータのお話。
カメラをしっかり使っていた時代はやっぱりSDカードからしっかりデータ移してたので消す画像なんてピンボケとか手ブレとか、要するに『失敗作』であったわけだけど……

iPhoneなんていうデザインだけの小さな箱を持つようになった上に、マージンがないと落ち着かない質な私は写真が容量を圧迫し始めると消さなきゃ消さなきゃってなるわけですよ。

前置きが大変長くなったけれど、捨てるとか取っておくとかはスマホの写真フォルダのお話。便利な世の中になったもので、スマホの写真フォルダが思い出のアルバムの一翼を担うようになった今、いつでも見返せるのは大きな利点ではあるけれどどうしても消さなきゃいけない時は訪れるじゃないですか。1枚2枚消したから解決するものでもないので、「これを機に」と、何百枚も消してしまうわけです。あー懐かしいなぁとか部屋の片付けよろしく亀の歩みなのだけど……
『忘れても思い出せるように』とフォルダに残してあるはずなのに、『きっと思い出せるはずだから』と削除してしまうの。ゴミ箱に送る瞬間、まるで1つの蝋燭が消えるような、まるで連絡先なんて言葉を知らなかったあの頃に遠い地へ引っ越す時のような、心に小さな穴がぽかりと開くの。それがぽかり、ぽかりと開いて、人との思い出を『きっと思い出せるはず』なんていう不確かな自信で捨ててしまおうとする自分を蝕んでいくの。

自分のライフスタイルには一石を投じる、見直すいい機会なのかもしれないけど、やはり『誰か』との思い出を無碍にしているようで苦しくなります。なりませんか?だから、ゴミ箱とフォルダを行ったり来たりする写真やとりあえずSNSに上がる写真は数知れず……忘れなければいい話、なのかもしれないけど




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?