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自作キーボード:やさしくないLotus配列の作り方


はじめに

この記事は、私がどのような手順で基板設計を行なっているかを紹介する記事になり、ゼロから基板設計が行えるという記事ではありません。
Lotus配列はこんな風にフットプリントを配置してるんだなぁと思っていただければ幸いです。

大まかな流れ

  1. IllustratorでLotus配列を再現する

  2. 実装基板を作る

  3. トッププレートを作る

IllustratorでLotus配列を再現する

まずは、スイッチとダイオードの枠線とバツを描きます。
スイッチは縦横14 mm、キーキャップは縦横19 mm、ダイオードは縦1.5 mm × 横5.4 mmで作成。
キーキャップの寸法は作成するキーボードに合わせて変更して下さい。
作成した枠線をコピペして角度をつけ…
選択機能で選択したら…
ダイレクト選択に切り替え、右上のアンカーを押下したまま(ドラッグしたまま)、
上の枠線の右下のアンカーに近づけると…
アンカー同士がピッタリフィットします
同じ要領で、一番下の枠線も付ければ基本の完成です。
この3つの枠線をコピペして…
枠線を並べたら、Lotus配列の再現は完了です。
これを「SVG」で書き出します。

実装基板を作る

JSONなんて知らないので、このフットプリント達を手作業で並べていきます。
先ほど書き出したSVGをKiCadで読み込みましょう。
グループ化したまま読み込みました。
グループ化したまま作業を行なっていきます。
Lotus配列に合わせて、フットプリントの向きを変えます。
Edge.Cutsを選択します。
スイッチのフットプリントの中心の穴をドラッグして持っていくと、
線と線が交差している部分に自動でフィットします。
ダイオードも同じ要領で配置します。
この作業をキーの数だけ繰り返します…
配置が終わりました。
枠線が不要になりましたので消します。
Edge.Cutsで適当に線を引き、STEPで書き出します。
書き出したSTEPファイルを使い慣れたFusion 360で読み込みます。
スケッチで基板の枠線を描いたら、DXFで書き出します。
KiCadで読み込むと、不要な線があるので…
必要な線以外全て削除します。
適当に描いた線を削除し…
線を合わせれば、基板の枠線の完成です。
マイコンのフットプリント部分が自動でフィットするため、ぴったりなはずですが、
親指部分がはみ出していますので、修正します。
線を伸ばして…
基板の枠線を整えたら、実装基板の完成です。

トッププレートを作る

実装基板をSTEPで書き出し、Fusion 360で読み込みます。
スケッチでキーキャップの穴を描き、DXFで書き出します。
書き出したDXFをKiCadで開いたら、不要な線を削除します。
(ねじ穴を忘れていましたが、このまま行きます…)
不要な線を削除したら、トッププレートの完成です。
(ボトムプレートは、キースイッチの線を消すだけですので省きます)

おわりに

キーボードの設計には、JSONを用いた自動配置など、様々な方法が存在します。原始的ですが、プログラミング知識がない場合は、今回紹介したような方法も有効かと思います。

以前はフットプリントとPlate & Case Builderで作成した枠線を、画面を拡大し手作業で1つずつ合わせるという、非常に手間のかかる方法で作成していました。現在は、Illustratorを導入したことで大幅な効率化を実現していますが、さらに改善したいと考えています。効率的なやり方があれば、ぜひ教えて頂きたいです。

この記事はAkashaを使用して書きました。

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