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手探り


突然聞かされた社長交代、女の子達はどう思ったでしょう。 


「誰が来るの?」
「女の人らしいよ?」
「大丈夫なの?」
「………」

  私が思うに「………」だったんじゃないかなと思います。
 それまでの赤坂は、最低限の広告をちょっぴり入れるだけで、毎日の営業はひたすら会員様の電話待ちの神頼み。

 新規のお客様が来ることは無いに等しく、HPは昭和感満載のチカチカとした色使い、宣材写真は断頭台で処刑された後のような首から下の写真のみ。
 女の子の説明文は、キャッチコピー程度の短文が1,2行。

 イチゴなら

    栃木産 とちおとめ 甘いよ〜 

                位の説明です。

 そんな状態が続いていた時の社長交代は、恐らくもうみんな無気力で、「………」としか思わなかったんじゃないかなと思っています。  

 新規オープン立ち上げに関わった赤坂美療、電話が鳴り過ぎてうんざりする程だった赤坂美療、ワクワクで引き受けたはずなのに、何から手を付けたら良いのかを迷う程、全てに手を付けなければならない赤坂美療に変化していました。


 まず始めたのは、女の子1人1人との会話です。
シャイな子、警戒している子、マイペースな子、そこに1番時間がかかりましたかね。 いきなり現れた知らないオバサンに、私だって心なんか開きません。

 同時進行で、広告手配や撮影、備品の購入、HPの作り替え、コース内容の見直し、派遣先の拡張、経営者が変わったのですから即座に出来そうな事が、何故か一向に進まない、入ってから知った目に見えなかった巨大な障害、1歩進むと2キロ引きずり戻されるような毎日、本当に、3日で半歩、ゆっくりゆっくりですが手直しが進みました。

 私の頼もしい味方、代理店のKさん、Kさんの会社のOさん、この時期1番苦労をかけて、1番尽力して頂きました🙇‍♀️     


どんなにキレイ事を言っても、大きな夢を語っても、電話を鳴らす事の出来ないフロントは、女の子からしたら誰が座っても同じです。 私だろうが前の社長だろうがキムタクだろうが。

 凄い女の子が居る赤坂をお客様に知って貰うには何をすれば良いのか?

 有名どころに広告を出せば鳴った、大昔の風俗しか知らない私が出来る事はゼロでした。

     ワクワクした自分が恥ずかしい…。





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