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夢なんて見なければ良かった~舞浜の花火に寄せた野望~


淡くも青くもない春の終わり。


2021年12月1日、約2年ぶりに舞浜の夜空に花が咲いた。

あの日、私はアラジンの夢の世界でこう願った。

「次に見る花火は、あの人と、一緒に見たい。」

もう2度と来ないであろう、「全休」の夜に、
一緒に来た母の隣で、そう思った。


その夢は、半年後、もろくもはかなくかき消された。

「もう金輪際関わらないでくれ。」


淡く青い青春は、そこになかった。

私と彼を引き合わせた「背信者」はその日も

全てが終わった頃に、遅れて現場に到着したのだった。

「背信者」はその結末を望んではいなかっただろう。


生まれた「夢」 それはもう叶わない「夢」



「もう私に、期待なんてさせないでほしい。」

1年前の私は、「背信者」に願った。

複雑なストーリーのアクション映画を見て。


そこに描かれたのは、「人魚姫」の夢物語。


目を輝かせた少女の「未来」は、とても「残酷」で
ひたすら頭がぐるぐる回る映画を見ていた。


地元のスクリーンのど真ん中の、一番見渡しの良いシートを私は
おさえていた。


「背信者」の声は、今日もその部屋の中で響いていた。


その声は、他の観客達にも聞こえているような気がした。


私の中の、何かが動いた。


花火を見た日のことを思い出した。

その「言葉」の真意はわからなかったが、

私の感情は、その時から少しずつ歪んでいった。


「歪み」と「後悔」


あの日、本当に誘いたかったのは、親友だった。

だけど、私たちは、彼女を誘っても良いのか、正直わからなかった。

「夢」が消えたあの日、

私は、何かを抱えた2人の「優等生」を救った。

その「優等生」に、私たちは声をかけることにした。


「優等生」と私たちは、一緒に過ごす時間が増えた。

その時間は、失った夢が欠けた時間を埋め合わせてくれる気がした。

同時に、私はモヤモヤした。

「実はあそこ…」

まだ、何も起きていないのに、ありもしない「噂」が流れた。


私はまた、自分が「何者」なのか、わからなくなった。


夏が来た。

どこかで歯車が一瞬でひっくり返った。

世界は、「歪み」を修正しはじめた。

私だけ「歪み」を残して、世界から、取り残された。


 元気になって生まれた「つぶやき」


「歪み」それを受け入れられたのは「別れ」があったから。

「背信者」も流石に、呆れてしまったのだろう。

私は、何も言わずに、新たな自分を創り出した「世界」から出て行った。


戻ろうともしていないのに


そこには「冒涜者」に向けて「ロック」がかかっていた。



だけど、泣かなかった。

私は、自分に似た人物に出会った。

気付いたら、毎月会うようになっていた。

「そろそろ、遠出したいね。」

なんとなく、半ば冗談で、私はこう呟いた。

「夢をもう一度見たい。」

と。

その夢の舞台は、私にとって「未練」しかない場所だった。


夢なんて気付いたら叶うもの。


9月、私は何かを思い出した。

「誰と、夢を叶えたいのか。」

それは、今の私にとっては「野望」である。

だけど、その「野望」も少しずつ、
「叶わなくても、現実になり始めている。」
と、最近は、第六感か何かで感じている。


だからか知らないけど。

「背信者」のことなんて、もう、どうでも良いように感じるし、

だからといって、「感謝」していないわけでもない。


まあ、こう書くくらいだから、認知症になったとしても、

初めて話した日に、私の第六感が働いた「背信者」のことを

私は忘れることなんて無いと思うのだが。


2023年11月18日。

この日は95回目の、世界の人気者のネズミの誕生日だった。


この日、唯一現場で聴いた、ネズミの声。
それは、20時30分。

夜空に花が咲いたときだった。



私は、この日の昼前「私にとって、一番いらない武器」を失った。

何度、「コンプレックス」を感じたか。

何度、この「武器」の力で他人に嫌われたか。


もう正直わからない。

でも、その「武器」のお陰で、

私は新しい親友と出会い、その親友と、冗談で言ったつもりの「夢」を
叶えに来た。


「武器」を失ってごめんね。

一緒にいてくれた親友を、その所為で「つまんない」と思わせてしまっていたら、私はまた最低だろうな、と思いながらも。


相方はそれでも、帰りの電車まで一緒に、
「武器」は使えないのに一緒にいてくれた。


お互い、まだ、「夢」の余韻にひたひただろうが。

余韻のある内にこの物語を読んでくれていたら、本当に最高である。



「野望」


次にその花火を見るときは、私に「夢」をくれた、最低で最高な親友達と
同じ空の下で「夢」を見たい。


そんな野望も気付いたらいつか叶うんじゃないかって。


そう思うことにしたが、

多分、期待はしていない。

期待しすぎるとまた、私が歪んでしまうと思うから。



次にできた夢。

「私を助けてくれた、あの団体の皆で、カメさんとお話したいね。」

ということ。


「この子だったら、何を相談するんだろう…」

「武器」 を失う直前、相方とそんな妄想をしながら、2人で話していた時間は、とても楽しかった。


某カメさんに、「300kgまで太れよ」と言われたこと、

それだけは、一生恨みますが、


私は暫く、自分の「武器」を取り戻すまで
安静にしていようと思います。


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