元読売ジャイアンツ・伊藤芳明さんを訪ねて

2021年10月17日 16:41

初めまして。大学3年生の「あかさ」と申します。初めてのnote投稿となりますが、ご覧になってくださると幸いです。

今年3月、元プロ野球選手の伊藤芳明さんの自宅を訪問してお話を伺いました。87歳にも関わらず、とてもお元気にお話ししていただきました。

↑現在の伊藤さん（右）と筆者

経歴
伊藤さんは静岡県浜松市生まれ。興誠商業高校（現・浜松学院高校）を卒業後、中央大学に進学し、日本生命を経て1959年に読売ジャイアンツに入団します。7年間プレーしたのち東映フライヤーズへトレードで移籍し1969年に引退しました。引退後はおよそ30年間にわたってスカウトとしてご活躍されました。

プロ1年目は新人ながら開幕投手も任されるなどして活躍。1963年には19勝8敗、防御率1.90で沢村賞を獲得されました。11年間の現役生活で4度の2桁勝利を記録し、オールスターゲームにも3度出場するなど歴史に名を残す投手となりました。

↑沢村賞の盾

チームメートには「おっちゃん」の愛称で親しまれました。当時は、年齢でなく入団年数によって上下関係が構築されており、年下選手が呼びやすい名前として定着したそうです。

アマチュア時代
伊藤さんがプロ野球を意識したきっかけは、地元・浜北で最初にプロ野球選手となった飯尾（伊藤）万喜三さん（浜松北高校出身）を見たことだといいます。飯尾さんはシーズンオフに練習のために帰省しており、伊藤さんの憧れの存在だったそうです。

↑東映時代のウインドブレーカー

中央大学在籍時は、1年の春季からリーグ戦で登板。3年時の東農大戦でリーグ史上4人目のノーヒットノーランを達成しています。卒業後は日本生命に進み、2年連続で都市対抗に出場しました。大学進学にあたっては「西野さん」という高校の先輩の影響が大きかったそうです。

当時、明治大学で野球部に在籍していた西野さん。伊藤さんは、西野さんから明治大学に誘われていたそうです。しかし、岡山東高校の秋山登さんが入学するとわかると、西野さんに明治大学への進学を辞退させられます。結果として中央大学で活躍。のちのプロ入りにもつながり「西野さんとの出会いがターニングポイントだった」と伊藤さん。「サボっていると西野さんに殴られて、そのおかげで真面目に野球するようになった」とも言っていました。

プロ入り後
同期入団の王貞治さんと同部屋になり、共に期待の新人として注目されました。新人時代は王さんがボール係、伊藤さんがバット係として遠征時の荷物係を担っていたそうです。入団して間も無く、寝台列車での移動中に女優の牧紀子さんに遭遇。憧れを抱いていた王貞治さんはときめいていたといいます。