生娘シャブ漬け戦略を聞いて、疲れてしまった。

吉野家の役員の方が、早稲田大学の社会人向け講座で、若い女性をターゲットにした施策を「生娘をシャブ漬け戦略」と笑いながら何度も発言したそうです。それを聞いて、なんだかどっと疲れてしまいました。
実はこの方に、過去インタビューをしたことがあるのですが、そのときはとてもお話が面白くて、スゴイ!と尊敬すらしました。

きっと、大勢を前にした講義で、笑いをとるため、場を盛り上げるために、あえて「生娘」「シャブ漬け」などという言葉を使ったんだと思います。あえてその言葉を使ったことを残念だと思うし、微塵も面白くないですよね。普段から、女性を侮蔑する考えがないと出てこない表現だと思います。だから本当に残念だと思うし、まだこういうことに怒らないといけないのかと思ってしまって、疲れてしまいました。

「女性を活用」?「女性の活躍」?

以前、大学の教授のウェビナーを見ているときに、こんな発言がありました。デービッド・アトキンソン著『新・生産性立国論―人口減少で「経済の常識」が根本から変わった』を例に挙げ、「これからは、外国人労働者も少なくなるので、(その穴埋めとして)女性を活用していく必要があります」と。

良妻賢母の元に家事育児介護を女性に押し付けておいて、今度は男性がピンチになったら労働力にもなれと言っている?そんな話あるか?そもそも「活用」ってどれだけ男が上だと思ってるんだ。

おかしいと思ってその本を購入し読んでみると、そこには「女性の活用」ではなく「女性が活躍できる環境づくりが必要」であるという内容でした。
この話をしていた大学教授は、女性は活用してナンボだという考えが少なからずあったのではないでしょうか。そうじゃなければ、こんな表現はしないですよね。少なくとも、女性の社会進出を話す場で、私はこんな表現はしないでしょう。

いいヤツでも、蝕まれている考え方。

同年代の男性と話していて、びっくりするくらい侮蔑的またはステレオタイプな発言が出てくることがあります。本当に良いヤツで、仕事もできる男性なのに、ふとした時に、「女の子はヒステリックだからマネージャーに向かないんだよね」とか。悪気がない発言でしょう。刷り込まれてるんだと思います。
ちなみに、過去の私の会社員生活の中で、ヒステリックでブチギレまくってた上司は男性でした。女性だからなんて関係ありません。

だから、普通に良いヤツからそういう発言が出てきて、びっくりしちゃうんですよね。びっくりしているうちに、会話が流れて指摘すらできません。心に引っかかって、後々、モヤモヤしたり、悲しくなるだけ。

まだまだ怒り続けなきゃいけない

「生娘シャブ漬け戦略」に話を戻します。
正直、読んだ直後は「まだ怒らなきゃいけないのか」と思いました。怒って、「それは私達を蔑んでいる」と指摘しなければ、当たり前だと思っている人に届きません。
だから今回、受講者の方が怒り始めて、すごく良かった。同じ話を聞いていて違和感を覚えなかった人は省みてほしい。
すぐ炎上だの何だのと言われますが、何か虐げられている人が力を振り絞って声を上げたのならば、それに対して正面から受け止めなくてはならないと思います。

東京から離れ、組織から離れ、人との関わりを最小限にしていると、そんな侮蔑的な表現はほとんど耳に入ってきません。とても心地良いのですが、でもたぶん、まだまだ私は怒らないといけないんだと思いました。

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